久保建英、ヨーロッパリーグ初戦不出場も納得の表情 指揮官はリーグ戦を優先か
9月25日、ニース対レアル・ソシエダ戦の撮影のため、フランス南東部に位置する地中海沿岸の都市ニースを訪れた。
ヨーロッパリーグ(EL)の2024-25シーズン開幕節を敵地で迎えたソシエダは、先制点を奪うも、前半終了間際に追いつかれて以降、終始、相手に押し込まれる展開が続いた。後半には相手にPKを与えてしまった場面もあったが、GKのファインセーブでしのぎ、なんとか1-1の同点で試合を終わらせることができた。
そんな劣勢のゲームだったが、ソシエダ所属の久保建英へ出場の声がかかることはなく、今シーズン初の不出場に終わった。ただ、これは"久保のチーム内序列が下がったから"というようなことではないだろう。
ヨーロッパリーグ初戦ニース戦は不出場に終わった久保建英この記事に関連する写真を見る ソシエダは、久保がトップ下で先発出場したリーガ第6節バジャドリード戦(結果は0-0)から、中3日でこの試合を迎えている。
そのバジャドリード戦まで、ソシエダは5試合勝ち星がなく、リーガ第7節終了時点の暫定順位は16位。ただしこれは得失点差が考慮されたものであり、勝ち点は降格圏18位のバジャドリードと同じ5ポイントである(リーガとELの日程調整のため、ソシエダは第7節を第6節の前に戦っている)。
そのため、ソシエダ指揮官イマノル・アルグアシルは、リーガでの戦いにプライオリティを置かざるを得なかった。リーガの次節は、ニース戦から中2日で迎えるバレンシア戦。同じく勝ち点5と低迷している相手に、勝利は必須だ。
ニース戦は、久保を筆頭に、セルヒオ・ゴメス、シェラルド・ベッカー、ルカ・スチッチ等、ここ数試合のレギュラー格選手がベンチスタートとなった。
前半終了直後、久保は、相手の同点ゴールに沈むメンバーを励ますようにピッチまで出迎えに行っている。また後半、相手に与えられたPKには大きく手を振りかざして不満を示し、また自チームのチャンスにはベンチから立ち上がり戦況を見つめた。
おそらく、この試合での不出場は事前に知らされており、ベンチからできる限りの勝利をたぐり寄せようとした行動だったのではないだろうか。
前半終了後、出場していたメンバーを出迎える久保建英この記事に関連する写真を見る ELは、今シーズンよりレギュレーションが変更され、36チームがひとつのリーグフェーズを戦う。ただ、全チームと対戦するわけではなく、各チームは、異なるチームとホームとアウェーで4試合ずつ戦うことになる。そのうえで、全体の1位から8位までがラウンド16へ、9位から24位までが残りの8枠をかけプレーオフを戦う。
ソシエダは今後、ホームでアンデルレヒト、アヤックス、ディナモ・キエフ、PAOKと、アウェーではマッカビ・テルアビブ、ビクトリア・プルゼニ 、ラツィオとの対戦が決まっている。
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著者プロフィール
中島大介 (なかしま・だいすけ)
1979年生まれ。2006年よりバルセロナ在住。サッカーを中心にヨーロッパ各地で様々なスポーツの撮影、スポーツ選手インタビュー、ポートレートの撮影など。AIPS(国際スポーツプレス協会)会員。バルセロナでカフェも経営。