J1優勝は最終節決着。上位3クラブが王座につくための条件は?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 さすがは実力伯仲の混戦リーグといったところだろうか。今季のJ1も、簡単には優勝が決まらなかった。

 J1第33節、横浜F・マリノス(横浜FM)対アルビレックス新潟。首位の横浜FMはこの試合に勝てば9年ぶりの優勝が決まるとあって、舞台となった日産スタジアムには、J1のリーグ戦としては史上最多となる62,632人の観衆がつめかけた。

 だが、試合後に歓喜したのは、アウェー側ゴール裏のオレンジに染まった一角だけ。新潟が2-0で勝利し、横浜FMの優勝はお預けとなったのである。

第33節で横浜FMは新潟のプレスに苦しみ敗戦。ホームで優勝を決められなかった第33節で横浜FMは新潟のプレスに苦しみ敗戦。ホームで優勝を決められなかった 優勝がかかった大一番で、横浜FMの選手たちはどこか動きが硬かった。特に前半は新潟の出足のいいディフェンスを前に、なかなか攻撃を組み立てられなかった。横浜FMの樋口靖洋監督も「新潟のプレスの厳しさに、(ボールの)落ち着き場所を作らせてもらえなかった」と振り返る。

 後半に入ると、横浜FMは新潟のプレスを避けるようにロングボールを使って押し込みはしたが、結局ゴールは決められず。逆にコーナーキックから川又堅碁に先制を許すと、試合終了直前にはカウンターから鈴木武蔵に追加点を決められ、万事休した。

 表情を強張らせたまま取材エリアに現われたキャプテンの中村俊輔が口を開く。

「チームとしてまだまだ未熟な部分があるということ。何人かの選手はいつものプレイができていなかった。こういう結果になって、もったいなかった」

 落胆の色をありありとうかがわせる横浜FMの選手たち。だが、その一方で分からなくなってきたのは、J1優勝の行方である。

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