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佐々木朗希のメジャー挑戦を受けて清水直行が提言 ポスティングやFAのシステムは「見直しが必要」

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

清水直行インタビュー 後編

ポスティングシステムやFA制度の見直しについて

(前編:佐々木朗希がメジャーで活躍する可能性、結果を残すための課題は?>>)

 ロッテは佐々木朗希のポスティングシステムによるメジャー移籍を容認。しかし、25歳以下ではマイナー契約しか結べず、ロッテが手にする譲渡金はわずか。それを受け、システムの見直しに関する議論が起こっている。

 長らくロッテのエースとして活躍し、2018年、19年にはロッテの投手コーチも務めた清水直行氏に、ポスティングシステムに対する見解や今後の課題を聞いた。

シーズン終了後のファン感謝デーで思いを語った佐々木 photo by Sankei Visualシーズン終了後のファン感謝デーで思いを語った佐々木 photo by Sankei Visual

【ロッテと佐々木だけの問題ではない】

――以前、清水さんは佐々木投手のポスティングシステムでのメジャー移籍に関して、「球団と佐々木の間で決めること。チームに貢献したからメジャーに挑戦していいとか、貢献していないから挑戦してはいけないとか、周りがとやかくいうことではない」と言われていました。その見解は変わりませんか?

清水直行(以下:清水) そうですね。基本的にそう考えていますし、今回も球団の判断と佐々木側の要望をすり合わせたうえで決着したんだなと。ただ、これだけ大きな騒動になってしまった以上は、もっと大きな視点、チームと契約するプロスポーツ選手の問題として、今後は議論していかなければいけないんじゃないかと思います。

――球団と佐々木投手だけの問題とするべきではないということですか?

清水 そうです。ポスティングシステムは1998年に調印された「日米間選手契約に関する協定」により創設されました。それまで日本のプロ野球選手は、海外フリーエージェント権(海外FA権/一軍登録日数が通算で9年)を行使することでしかMLB球団への移籍ができませんでしたが、野茂英雄さんや伊良部秀輝さんのメジャー移籍の経緯などをきっかけに、この制度が導入されることになったわけです。海外FA権を持たない日本のプロ野球選手でも、所属球団からの承認が得られればメジャーに移籍できるようになった。

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著者プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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