世界一の宝石を持つ男・ディクソンがオリックスで成功したわけ (3ページ目)

  • ブラッド・レフトン●文 text by Brad Lefton
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 ディクソンに数多くの助言を与えたのが、高山郁夫投手コーチだった。今シーズンから中日に移籍したが、高山コーチは2014年から2年間、オリックスのコーチを務めていた。

「日米を通して、僕が指導を受けたなかで、彼は最も素晴らしいコーチのひとりです。まず、すごく頭のキレがいいんです。彼は僕のすべてを変えようとしたわけではなく、まず僕がどんなピッチャーなのかということを理解しようとしてくれて、その上でいいところを伸ばそうとしてくれました。彼と出会えたことはすごく大きかったんです。自分のピッチングスタイル自体は、日本に来てからそんなに変わっているわけではありません。でも、精神的にはすごく成長したと思います。以前よりも打者を理解できていると思うし、場面によって的確に判断できるようになってきました。ピッチャーとして何をすべきなのか、どんなピッチングをすると自分を苦しめてしまうのか、ということがわかるようになってきました」

 いいピッチャーを目指そうとすればするほど、ディクソンは成績や周りからの評価を気にしなくなっていった。特に防御率に関しては、見ないようにしてきた。それよりも感覚を重視し、どのようにすれば効果的に自分のチームが勝てるかを最優先してきた。その結果、昨年は5月の月間MVPに輝き、オールスターにも選出された。

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