楽天・松井裕樹はこのままリリーフでいいのか？ (4ページ目)

　もちろん、先発として大きく育ってほしいという気持ちはあるが、チーム事情や松井のリリーフとしての適性を考えれば、今のところこのポジションがベストなのかもしれない。最後に、解説者の小宮山悟氏はこんな意見をくれた。

「将来のエースとしての育成は続いていると思いますよ。とにかく、今の松井の課題は制球力を上げることです。先発だったら、一度登板すると次投げるまでに中６日ほど空いてしまい、その間、身につけたフォームを崩してしまうことがあります。それに比べてリリーフは登板回数が多く、フォームの安定感が身につく。先発は、リリーフで経験を積ませてからでも遅くないという考えがあるのではないしょうか。リリーフを経験すれば、コントロールの重要性を学び、かけ引きを覚えます。将来のための配置転換だと思います」

　松井がリリーフとして好投するたびに、「もし先発だったら……」という複雑な心境になる人も多いと思うが、「エースになるための修行」だと思って、今はリリーフで躍動する松井裕樹のピッチングを堪能したい。