2014.05.08

楽天・佐藤義則コーチが語る
「松井裕樹が秘める田中将大以上の能力」

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 楽天のゴールデンルーキー・松井裕樹は、オープン戦で4試合(16回)に登板して、被安打10、奪三振17、与四球3、防御率1.13という好成績を残し、開幕ローテーションの座を勝ち取った。しかしデビュー戦から黒星が続き、4試合(19回1/3)で被安打18、奪三振23、与四球23、防御率6.05で二軍行きを告げられた。投手コーチである佐藤義則は松井のピッチングをどのように見ていたのか。そして、松井の可能性についても語ってもらった。

公式戦は4試合に登板して0勝3敗、防御率6.05だった松井裕樹。

 キャンプで松井を最初に見た時の印象は、とにかく強いボールを投げられる投手だなということでした。ダルビッシュ有(レンジャース)や田中将大(ヤンキース)と同じぐらいの強さがありました。ただ、フォームは踏み出す右足が突っ張り、投げ終わったあと左足が三塁の方向に流れてしまう。つまり、バランスの悪いフォームということなのですが、これだけ悪いフォームなのにあれだけのボールを投げられるのは、体の強さ、腕の振りの速さがあるからこそ。だから、星野(仙一)監督とも相談して、しばらくはフォームをいじらないで投げさせてみようということになりました。

 そしてオープン戦の松井はこちらの期待以上の結果を出してくれました。とにかく、彼の場合はストライクゾーンにさえ入ればそう打たれることはありません。オープン戦での好投はその一点につきます。松井自身も、ストライクさえ取れればある程度通用すると思ったと思いますよ。

 ただ、プロの世界は甘くない(笑)。オープン戦ではミーティングはありませんが、公式戦になると各チームが松井対策を立ててきます。オープン戦で振ってくれていたボールが見逃され、空振りを取れていた球がファウルになってしまう。おそらく、ストライクゾーンがものすごく狭く感じたと思いますよ。それにシーズンに入ると打たれたくない気持ちが働いて、より厳しいところを狙おうとする。その結果、ボールが先行して、オープン戦ではできていた自分のピッチングができなくなってしまった。松井が四球を連発した理由はそこにあります。