2013.03.19

【MLB】「伝説の守護神」M・リベラのラストシーズンを見逃すな!

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

伝説の名クローザー、マリアノ・リベラのラストシーズンがいよいよ幕を開ける 3月9日、ニューヨーク・ヤンキースの守護神マリアノ・リベラが、今シーズン限りの引退を表明しました。メジャーを代表するクローザーの引退表明に驚きを隠せませんが、リベラのユニフォーム姿を見られるのは今年がラストシーズンとなります。そこで今回は、数々の金字塔を打ち立ててきた、リベラの偉大な功績を振り返りたいと思います。

 リベラがメジャーデビューを果たしたのは1995年。25歳と決して若くない年齢で昇格したリベラは、当時、クローザーではなく、先発投手としてマウンドに上がりました。しかし、初先発となった5月23日のカリフォルニア(現ロサンゼルス)・エンゼルス戦で、3イニング3分の1を投げて8安打5失点。試合も0対10で負けて、翌日には『マイナー降格』という苦いスタートとなりました。それでもくじけることなく、翌年、先発から中継ぎに転向すると、周囲の予想を上回る大活躍を見せ、18年ぶりの世界一に貢献。そして1997年からクローザーとなり、リベラはメジャー史に残る大記録を樹立するまでに至ったのです。

 リベラがいかに偉大なクローザーなのか、昨年までの記録をざっと振り返りましょう。1995年のデビュー以来、プロ18年間で1051試合に登板し、積み重ねてきた通算608セーブはもちろん歴代1位(2位はトレバー・ホフマンの601セーブ)。これだけでも殿堂入りは間違いないのですが、さらに注目すべきはポストシーズンでの記録です。プレイオフ96試合に登板したリベラは、通算42セーブをマーク。これに次ぐ記録は、ブラッド・リッジ(元フィラデルフィア・フィリーズなど)の19セーブです。ポストシーズンにおけるリベラのセーブ数は2位以下を大きく引き離しており、この記録は二度と破られそうにありません。しかも96試合に登板しながら、防御率0.70という信じられない数字を残しています。96試合で計13失点、自責点はわずか11。いかにポストシーズンのリベラが圧倒的な存在だったか、十分に分かるデータでしょう。

 また、これほどの成績を収めながら、リベラの球種は1種類。カットボール――通称『カッター』だけです。この最大であり唯一の武器を習得して以来、彼は1119個の三振を奪っています。相手バッターは、リベラの球種を分かっていても打てません。「時速96マイル(時速約154キロ)のスライダー」と表現した打者もいました。そんな高速スライダーは存在するはずもなく、それぐらい速く感じて、なおかつ曲がるのが、『リベラのカッター』なんです。