【12球団分析・オリックス編】糸井の「トリプルスリー宣言」は本気

  • 波佐間崇晃●文 text by Hazama Takaaki
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

プロ野球12球団、2016年の戦力分析(7)

 オリックス・バファローズの福良淳一監督は、昨年10月1日の就任会見で「攻守ともに正確性を高め、隙のない野球をやっていきたい」と話した。いよいよ春季キャンプが近づき、福良監督の掲げる野球が本格的に始まる。「隙のない野球」とは何か。キャンプインを前に、2015年を振り返りながら強化ポイントを分析したいと思う。

昨シーズン、7年ぶりに3割を切った糸井嘉男昨シーズン、7年ぶりに3割を切った糸井嘉男

 2015年のチームの盗塁数は88。2014年の126から大きく減らしてしまった。チーム内で最も数を稼いだのはエステバン・ヘルマンの17。失敗数はわずか2と少なく、盗塁成功率は89.5%だった。しかし、ヘルマンはケガが重なったことなどが原因でチームの構想外となり退団。

 そのヘルマンに続いたのは16個の盗塁をマークした安達了一だ。現在、潰瘍性大腸炎で入院しており復帰時期は不透明だが、昨年もショートの不動のレギュラーとして139試合に出場した。そのうち82試合が2番での出場。盗塁でチャンスを拡大し中軸につなぐ場面が何度もあったが、盗塁失敗も15を数え、成功率の向上が課題となる。

 意外に奮闘したのが西野真弘と小田裕也のルーキーコンビだ。西野は7月に右手首を痛め離脱したため、盗塁数は1ケタの9個にとどまったが、失敗はわずか2。小田はその西野と入れ替わる形で後半一軍に定着し、31試合で盗塁6、失敗1と自慢の足を披露した。ふたりともフルシーズンでの成績となればどこまで数字が伸びるのか楽しみだ。

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