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河村勇輝が向き合う課題の3ポイントシュートと辛くも楽しいアメリカ挑戦の日々「トータルで見ればすべて幸せだなって毎日感じている」

  • 宮地陽子●取材・文 text by Miyaji Yoko

河村は3ポイントショットを含め、日々課題と向き合い、成長する術を学んでいる photo by AP/AFLO河村は3ポイントショットを含め、日々課題と向き合い、成長する術を学んでいる photo by AP/AFLO

河村勇輝がアメリカで挑戦を始めて3カ月以上が過ぎた。ここまでNBA(メンフィス・グリズリーズ)、Gリーグ(メンフィス・ハッスル)のツーウェイ選手として奮闘し、日々学び続けているが、変わらず課題のひとつとなっているのが、本来得意とする3ポイントショットだ。なかなか成功率が上がってこない。

だが、河村本人のなかではその内容は開幕当初とは変化している。

河村自身が「修行」と捉えているように、世界最高峰のリーグへの挑戦がそう簡単にいくわけではないが、同時にその状況を楽しむことも忘れていない。

【NBAでも、Gリーグでも決まらなかった3P】

 今シーズンの開幕から、河村勇輝にとって課題のひとつとなっているのが、3ポイントショット(3P)だ。何しろ、背番号17をつけてのNBAの試合でも、7番をつけたGリーグでの試合でも、3Pがまったくと言っていいほど入らなかった。NBAでは10月25日から12月13日までに出場した14試合での3P成功率がわずか20%。10本放って、2本しか決められていなかった。

出場が試合終盤の短い時間に限られるだけに、身体が温まらないなかでリズムをつかむことが難しいということもある。しかしスターターとして出場して長い出場時間を得て、シュートを打つ機会が多いGリーグでも、3Pはなかなか決まらなかった。11月15日から12月22日まで、Gリーグで出場した最初の7試合での成功率は2割を下回る19.5%。41本放って、8本しか決められなかった。

 3Pの確率が上がらないことについて、11月に話を聞いたとき、河村はこう語っていた。

「課題を挙げればきりはないですけど、NBAの3Pラインの遠さだったり、ボールのサイズも違います。そこは慣れなければいけないところ。でも練習ではそういった遠さみたいなのを感じることはあまりないので、あとは試合の流れのなかで慣れていくことが必要になってくるかなと思います」

 それから約1カ月たって、12月下旬のGリーグのウインターショーケースでの試合での河村は得点を挙げ、アシストも挙げ活躍はしていたのだが、3Pは2試合合わせて12本放ち、成功数はゼロと、まったく決まらなかった。

 河村は「NBAで活躍していくためには、やっぱり3Pの確率は必ず上げていかないといけない部分」と反省の弁を語ったうえで、依然として3Pが決まらない理由について、11月のときにあげていたボールや距離の違いという課題はすでに克服したと言い、次の課題として、サイズがあり、腕の長さも含めて守備範囲が広いディフェンスとの距離感に慣れることを挙げた。

「今日も、(相手ディフェンスが)スイッチしたあとに打った3Pがほとんどだったので、ビッグマンがついているとき、ドライブができない状況になったときに、そこで3Pを1本決めると、僕の強みであるドライブがより効果的になってくると思います。

 相手の腕の長さには、慣れはもっと必要かなとは思ってます。ここでは、(ディフェンスが手を伸ばして邪魔をする)コンテストはあまり感じないだろうなって思う距離感で打ったら、思った以上に(腕の長さを含めた相手の身体のサイズが)長くてコンテストを感じることが多くあるので、相手のディフェンスとの距離感というところは徐々にアジャストできればいいなとは思ってます」

 その一方で、たとえシュートが入っていない試合でも、ノーマークなら打ち続けることの大切さも理解しているという。

「シュートが入ってないときは無理にシュートを狙いにいくことはないんですけど、だからといってワイドオープンになったときに打たないっていう選択肢はないと思ってるんで。ワイドオープンになったときはしっかりと打ちきる。ここ最近は、Gリーグでやるときはそういった気持ちでやっています」

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著者プロフィール

  • 宮地陽子

    宮地陽子 (みやじ・ようこ)

    スポーツライター。東京都出身。アメリカを拠点にNBA取材歴30年余。アメリカで活動する日本人選手やバスケットボール国際大会も取材。著書に『The Man〜 マイケル・ジョーダン・ストーリー完結編』(日本文化出版)、編書に田臥勇太著『Never Too Late 今からでも遅くない』(日本文化出版)、2023年1月発売の共著に『スラムダンク奨学生インタビュー その先の世界へ』(集英社)。

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