【競馬】2歳戦は鉄板! ディープ産駒は今年から「真骨頂」に

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 6月6日にスタートしたJRAの2歳戦線。早くも何頭かの"スター候補"がデビューしたが、それら2歳馬たちの父である「種牡馬」の成績に目を向けると、ダイワメジャーが好調だ。8月26日現在(以下同)で、52頭の産駒がデビューして13勝をマーク。2歳の種牡馬ランキングでトップを走っている。

 だが、今年の2歳戦線において、それ以上に注目すべき種牡馬がいる。ディープインパクト(以下、ディープ)である。はや50頭を超える馬がデビューしているダイワメジャーに対して、ディープの子はまだ22頭しかデビューしていないにもかかわらず、すでに10勝(2勝馬が一頭)を挙げているのだ。

 デビューした馬の「勝馬率(勝馬頭数÷出走頭数)」で比べてみても、ダイワメジャーの25%に対し、ディープは40.9%。そこには歴然とした差がある。2歳戦でディープ産駒が出てきたら、ほぼ「鉄板」と言ってもいいほどだ。

ディープ産駒期待の2歳馬プロディガルサン。新馬戦で評判どおりの強さを見せた。ディープ産駒期待の2歳馬プロディガルサン。新馬戦で評判どおりの強さを見せた。 もちろん、種牡馬ディープのすごさは、何も今になって始まったことではない。2007年から種牡馬入りしたGI7勝の「英雄」は、父となってからも格別の資質を見せつけている。

 産駒がデビューして3年目となる2012年から、種牡馬ランキングトップを独走。数多くの産駒がGIタイトルを手にして、最高峰の舞台となる日本ダービー(東京・芝2400m)においても、2012年のディープブリランテ、2013年のキズナと、2頭の勝ち馬を出している。自身の父であり、日本競馬に変革を起こした大種牡馬、サンデーサイレンスに匹敵、もしくはそれ以上の成績を収めているのだ。

 それでも、種牡馬ディープが本当に真価を発揮するのは、「今年から」だと考えられる。それには、種牡馬のサイクルが関係している。

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