なでしこジャパンに新風。スゴ腕・高倉麻子新監督の強化ビジョン

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by Yohei Osada/AFLO SPORT

 27日、JFAハウスで記者会見が開かれ、高倉麻子監督のなでしこジャパン新監督就任が発表された。なでしこ初の女性監督の誕生だ。これまではU-20女子代表を率いており、しばらくは兼務することとなる。

これまでの指導経験を生かし、なでしこジャパンを牽引する高倉麻子新監督これまでの指導経験を生かし、なでしこジャパンを牽引する高倉麻子新監督 1991年の第1回女子W杯中国大会で日本代表の背番号「10」を背負うなど、なでしこの草分け的な存在だ。

 指導者としても20年以上の現場経験を持ち、各年代代表でも最高の結果を残してきた。2013年のAFC U-16女子選手権では35得点1失点の圧倒的な成績で優勝し、翌年のU-17女子W杯では、育成年代で初の世界一に輝いた。そして、昨年のAFC U-19女子選手権でもアジアを制覇。今年11月のU-20女子W杯でも優勝の期待がかかる。

 U-16日本女子代表監督に就任したのは2013年2月。当時の言葉にはすでに、いずれ日本の女子サッカーをリードしていく覚悟とビジョンがはっきりと感じられた。

「自分自身が選手のときからいつも一歩目を歩く人間だったので、誰かがそこを踏み出すというよりは、たまたま私がその役目をさせていただくということ。この後もたくさん良い指導者が育ってくると思いますし、そのために恥ずかしくない足跡をつけていきたいです」

 それから3年が経ち、代表監督として登壇した指揮官の『言葉の力』はさらに強さを増していた。

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