【体操】補欠からエースに。19歳、村上茉愛がリオ五輪へ急成長!

  • 椎名桂子●取材・文 text by Shiina Keiko
  • 岡本範和●写真 photo by Okamoto Norikazu

 今年10月の世界体操選手権では、補欠からの繰り上げ出場ながら、2009年に鶴見虹子(日体大)が獲得した個人総合3位以降、日本女子の最高位となる個人総合6位という成績を残した村上茉愛(むらかみ まい/日体大)。彼女にとって、11月28~29日に行なわれた全日本体操団体選手権は、いわば凱旋試合だった。

出場した2種目で安定した結果を残し、日体大2連覇に貢献した村上茉愛出場した2種目で安定した結果を残し、日体大2連覇に貢献した村上茉愛 団体戦ではあるが、連覇を狙う日体大の中心選手として村上は、4種目すべてに出場し、日体大の連覇達成に大いに貢献するはずだった。

 ところが予選の日、村上はアクシデントに見舞われる。

 1種目目の跳馬では、14.950を叩き出す素晴らしい跳躍を見せたが、段違い平行棒の直前練習のときからかなり痛そうな表情を見せるようになる。なんとかこらえて段違い平行棒には出場し、演技もまとめたものの、平均台の出場は見合わせることになってしまった。出場した種目の演技はどちらも十分期待に応えるものだったが、表情は冴えず、世界選手権のときのハツラツとした村上とは別人のようだった。

 しかし、翌日の決勝では、再びあの明るさを取り戻していた。予選同様、エントリーは跳馬と段違い平行棒の2種目だけだったが、日体大の第1種目第1演技者として登場した跳馬では、14.850のハイスコアをマーク。この得点は、終わってみれば出場選手中最高得点だった。

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