【MotoGP】ロレンソ圧勝でロッシと同点。残り7戦は予測不可能に

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira  photo by YAMAHA MOTOR RACING

 長いシーズンも半ば以上を過ぎ、後半戦から終盤戦に向かうこの時期は、通常ならばチャンピオン争いの帰趨(きすう)がある程度見通せて、戦いが大詰めを迎える状況になる。ところが、今年の場合はランキングトップを争う2選手が同点で並び、7レースを残して振り出しに戻るという事態になった。

圧倒的な速さで今季5勝目をマークしたホルヘ・ロレンソ圧倒的な速さで今季5勝目をマークしたホルヘ・ロレンソ チェコ第2の都市ブルノ郊外にあるマサリク・サーキットで行なわれた第11戦チェコGPは、開幕戦のカタールGP以来、ランキング首位の座を守り通してきたバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)が3位でフィニッシュ。一方、ロッシを9点差で追うチームメイトのホルヘ・ロレンソは、金曜日午前のフリープラクティスから抜きん出たペースを披露。土曜の予選では、「最終コーナーで少しミスをして、リアが少しスピンしてしまった」と言いながらも、サーキットの最速記録を塗り替えてポールポジションを獲得した。

 しかも、ロレンソは1周のタイムアタックだけではなく、アベレージタイムでも他の選手を圧する高い水準でプラクティスを進めてきただけに、日曜の決勝レースであっさりと後続を引き離す独走ペースに持ち込んで勝利を飾ったのは、なるべくしてなった結果、というべきだろう。4戦ぶりの今季5勝目となったレースを振り返り、「実際はもう少し速く走れるんじゃないかとも思っていたけど、5~6周して燃料が少しずつ減ってくると、ブレーキングで深く突っ込めるようになってきた。それが今回の勝利のカギになったと思う」と話した。

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