「虎キラー」巨人・ポレダとランディ・ジョンソンの意外な共通点

  • 高松正人●文 text by Takamatsu Masato
  • photo by Kyodo News

 198センチの長身から投げ下ろすストレートには威力があった。9月10日の阪神対巨人の伝統の一戦。甲子園球場の球速表示は150キロを超えていた。打者の内角を鋭くついていたかと思えば、タイミングを外すカーブ、スライダーでも三振が取れる。

9月22日現在、8勝をマークしているポレダ9月22日現在、8勝をマークしているポレダ

 巨人の外国人左腕、アーロン・ポレダは、いつしか「虎キラー」と呼ばれるようになっていた。今季ここまで8勝のうち5勝が阪神戦で挙げたものだ。1シーズンに阪神から5勝を挙げた外国人投手は巨人では初めて。だが、ポレダ本人には阪神戦が得意という意識はない。

「阪神打線は強力だからね。毎試合、簡単に抑えられると思っていないよ。マートン、福留(孝介)、ゴメス。彼らは毎回、僕を攻略しようとアプローチの仕方を変えてくる。変化球を振ってこなかったり、低めの球を捨ててきたり。最近は投げていて、研究してきているなと感じているよ」

 それでも「アグレッシブな投球スタイルは貫いていく」と、150キロを超えるストレートを打者の胸元に投げ込んでいく。長身から投げ下ろすため角度があり、球速表示以上に打者は速く感じるという。持って生まれた体格を生かし、異国の地・日本で才能を発揮している。

 ポレダはチームメイトからは「ビッグ」の愛称で呼ばれ、親しまれている。そしてポレダ自身もこのニックネームを気に入っている。なぜなら、ポレダが幼少の時から憧れ、「ビッグ・ユニット」と呼ばれていたメジャー通算303勝を挙げた208センチの大投手、ランディ・ジョンソンに少し近づけた気分になるからだ。

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