箱根駅伝2025 出場校情報
<シード校>
青山学院大学(17年連続30回目)
【前回順位】 優勝
【過去の戦績】 優勝7回(2015、16、17、18、20、22、24)
【監督】 原晋(2004年〜)
【主将】 田中悠登
【チームの特徴】
箱根駅伝ではつねに序盤から勝負を仕掛けてきた原監督。その往路候補には、今シーズン絶好調の鶴川正也(4年)、前回2区区間賞の黒田朝日(3年)、同3区区間賞の太田蒼生(4年)の"3本柱"が揃う。加えて、山上りの5区に若林宏樹、復路スタートとなる下りの6区に野村昭夢(ともに4年)と、それぞれ同区間2位の実績を誇る選手も控えており、選手層の厚さは今大会随一。ぶっちぎりで連覇を果たせるのか注目だ。
駒澤大学(59年連続59回目)
【前回順位】 2位
【過去の戦績】 優勝8回(2000、02、03、04、05、08、21、23)
【監督】 藤田敦史(2023年〜)
【主将】 篠原倖太朗
【チームの特徴】
今シーズンは選手層の薄さが課題とされたが、出雲駅伝と全日本駅伝ではいずれも2位、あと1歩及ばず敗れたものの好調をキープしてきた。屋外5000メートルとハーフマラソンで日本人学生記録を持つ主将・篠原倖太朗(4年)を大黒柱に、全日本で好走した山川拓馬、伊藤蒼唯(ともに3年)と戦力は十分。さらに、ケガからの復活が見込めるエース・佐藤圭汰(3年)が良いコンディションで新年を迎えられれば、2年ぶりの王座奪還も現実味を帯びてくる。
城西大学(3年連続19回目)
【前回順位】 3位
【過去の戦績】 最高順位3位(2024)
【監督】 櫛部静二(2009年〜)
【主将】 平林樹
【チームの特徴】
前回は過去最高順位の3位をマーク。だが、5区で2年連続区間新記録を打ち出し、躍進の立役者となった山本唯翔(SUBARU)は卒業。その穴をどう埋めるかが今大会最大の課題だったが、櫛部監督は「山の妖精」の後継者として斎藤将也(3年)を指名。1年時から2年連続で"花の2区"を務めたエースのプライドもあったが、すでに山上がりで区間新を出す準備はできている。ともに1年時から主要区間を担ってきたビクター・キムタイ(3年)、主将の平林樹(4年)も往路に起用する方針で、序盤から波に乗れるかがカギになりそうだ。
東洋大学(23年連続83回目)
【前回順位】 4位
【過去の戦績】 優勝4回(2009、10、12、14)
【監督】 酒井俊幸(2009年〜)
【主将】 梅崎蓮
【チームの特徴】
前回節目の第100回大会では厳しい戦いが予想されたが、イメージカラーの"鉄紺"らしい粘り強い走りで4位に。継続中としては最長記録となる19年連続のシード権を獲得した。しかし、今シーズンは出雲駅伝で11位、全日本駅伝で13位と苦戦。それでも箱根では、主将の梅崎蓮、堅実な走りでチームを支えてきた小林亮太に加え、昨シーズン1度も駅伝を走れなかった石田洸介(いずれも4年)が2年ぶりにエントリー。中学、高校で各世代の記録を塗り替えてきた大器の復活は、チームにとって好材料だ。上級生を中心にチームの足並みが揃えば、20年連続のシード獲得と上位進出は十分に期待できる。
國學院大学(9年連続18回目)
【前回順位】 5位
【過去の戦績】 最高順位3位(2020)
【監督】 前田康弘(2009年〜)
【主将】 平林清澄
【チームの特徴】
青山学院大、駒澤大との"3強"の一角として優勝候補に挙がる今大会。今シーズンは出雲駅伝を5年ぶりに制すと、全日本駅伝では最終区で逆転して初優勝。絶好調の状態で箱根駅伝に臨む。メンバーには絶対的エースの主将・平林清澄を軸に、主力の山本歩夢(ともに4年)と青木瑠郁、全日本でアンカーとして逆転優勝のフィニッシュテープを切った上原琉翔(ともに3年)ら充実した戦力が揃っている。往路が強い青山学院大に対し、その上をいく復路勝負で初優勝、そして史上6校目の大学駅伝3冠を狙う。
法政大学(10年連続85回目)
【前回順位】 6位
【過去の戦績】 最高順位3位(1931、43)
【監督】 坪田智夫(2013年〜)
【主将】 小泉樹
【チームの特徴】
箱根駅伝では2022年10位、23年7位、24年6位と着実に順位を上げてきており、この3年間を走ってきた4年生にとっては集大成となる今大会。坪田監督がキーマンに挙げるのは、前回大会6区区間賞を獲得したエース・武田和馬、11月の上尾シティハーフマラソンで1時間2分13秒と自己ベストをマークした主将・小泉樹、副主将としてチームをまとめる宮岡幸大(いずれも4年)ら最上級生たち。安定感のある走りとチーム一丸の総合力で目標の総合5位以内に入り、4年間の有終の美を飾る。
早稲田大学(49年連続94回目)
【前回順位】 7位
【過去の戦績】 優勝13回(1922、23、27、30、31、33、34、52、54、84、85、93、2011)
【監督】 花田勝彦(2022年〜)
【主将】 伊藤大志
【チームの特徴】
2年連続でシード権を獲得し、今シーズンは出雲駅伝6位、全日本駅伝5位と安定した戦いを見せている。選手層も厚く、10000メートルでチームトップの27分52秒37の記録を持つエース・山口智規(3年)、5000メートルで早大歴代4位となる13分28秒67をマークした主将・伊藤大志、1年時から箱根路を経験している石塚陽士(ともに4年)と実力者が並ぶ。さらに前大会5区区間6位と山上りで結果を残した工藤慎作、出雲と全日本で好走した長屋匡起(ともに2年)、全日本で5区3位で走った期待のルーキー山口竣平(1年)ら早稲田の次代を担う存在も。この中から区間賞争いをする選手が出てくれば、3強の牙城を崩すチャンスは大いにある。
創価大学(6年連続8回目)
【前回順位】 8位
【過去の戦績】 最高順位2位(2021)
【監督】 榎木和貴(2019年〜)
【主将】 吉田凌
【チームの特徴】
榎木監督が2019年2月に就任して以降、21年に往路優勝、総合2位に導くなど5年連続でシード権を獲得。いまやシード権常連校の仲間入りを果たした。今シーズンも出雲駅伝と全日本駅伝で4位と高い水準を維持。スティーブン・ムチーニ(2年)を軸に、エースの吉田響と主将の吉田凌(ともに4年)の"ダブル吉田"で攻めの走りを展開できることが大きな強みで、往路から出し惜しみなく、序盤から勝負を仕掛けにいく構えだ。目標の往路優勝、そして初の総合優勝も視界に捉えている。
帝京大学(18年連続26回目)
【前回順位】 9位
【過去の戦績】 最高順位4位(2000、13、20)
【監督】 中野孝行(2005年〜)
【主将】 山中博生
【チームの特徴】
前回は2年ぶりにシード校に返り咲き、今シーズンは出雲駅伝、全日本駅伝ともに8位と上位争いに食い込めないものの、安定した結果を残している。中心戦力は4年生で、今年10000メートルで28分04秒54の帝京大記録をマークした主将でエースの山中博生を軸に、前回9区区間3位の復路のエース・小林大晟、ハーフマラソンで1時間02分03秒の帝京大タイ記録を持つ福田翔らが並ぶ。彼ら最上級生たちがチームを牽引し、堅実なタスキリレーで目標の総合3位を目指す。
大東文化大学(3年連続53回目)
【前回順位】 10位
【過去の戦績】 優勝4回(1975、76、90、91)
【監督】 真名子圭(2022年〜)
【主将】 西代雄豪
【チームの特徴】
前回は10位で9年ぶりにシード権を獲得。今回は総合5位を目標に掲げ、過去4度の優勝を誇るチームの再建に挑む。軸となるのは、エースの西川千青(4年)。今シーズンは10000メートルで28分19秒58の自己ベストを記録するなど成長著しく、"花の2区"を任されることが濃厚だ。加えて、10000m28分13秒80の記録を持つ入濵輝大(3年)、11月の上尾ハーフマラソンをU20の日本最高記録となる1時間1分38秒で優勝した棟方一楽(2年)、スーパールーキーと呼び声高い大濱逞真(1年)がおり、各学年に柱がいるバランスのいいチームとなった。新たな100年への第一歩を踏み出す大会で、古豪復活を果たす。
<予選会通過>
立教大学(3年連続30回目)
【前回順位】 14位(予選会1位)
【過去の戦績】 最高順位3位(1957)
【監督】 髙林祐介(2024年〜)
【主将】 安藤圭佑
【チームの特徴】
前々回に55年ぶりの箱根路復、そこから3年連続出場と、着実に力をつけてきた。今シーズンから駒澤大のコーチとしての実績がある髙林祐介監督が就任し、箱根予選会をトップ通過、全日本大学駅伝は初出場で7位に入りシード権を獲得するなど快進撃を続けている。今回は全日本7区4位と好調の馬場賢人(3年)、前回1、2区を走った林虎大朗(4年)、国安広人(3年)など前回の経験者7人全員がエントリー。今年、躍動したチームの勢いそのままに、箱根でも63年ぶりのシード権獲得を目指す。
専修大学(2年ぶり72回目)
【前回順位】 不出場(予選会2位)
【過去の戦績】 優勝1回(1939)
【監督】 長谷川淳(2016年〜)
【主将】 千代島宗汰
【チームの特徴】
前回は箱根予選会18位で本戦不出場も、今回は2位と大きく順位を上げ2年ぶりに箱根路復帰を決めた。予選会で全体3位と好走したダンカン・マイナ(1年)、チーム唯一の箱根経験者である新井友裕(3年)、5月の関東インカレ2部5000メートルで決勝進出を果たした上山詩樹 (2年)が主力としてチームを牽引。新井以外は箱根初出場と経験不足は否めないが、創部100周年のメモリアルイヤーを、目標である18年ぶりのシード権獲得で飾りたいところだ。
山梨学院大学(5年連続38回目)
【前回順位】 23位(予選会3位)
【過去の戦績】 優勝3回(1992、94、95)
【監督】 大﨑悟史(2024年〜)
【主将】 村上大樹
【チームの特徴】
前回は最下位の23位と厳しい結果に終わったが、今シーズンは2008年北京五輪男子マラソン日本代表の大崎悟史監督が就任し、チームは大きく力を伸ばした。なかでも主将の村上大樹(4年)は、10000メートルの自己ベストを約30秒更新して28分台に乗せ、課題のスタミナ面を克服。それを上回る27分台のジェームス・ムトゥク(3年)とブライアン・キピエゴ(2年)の留学組、世界クロスカントリー選手権に出場した高田尚暉ら実力者も揃う。序盤でいい流れを作り、9年ぶりのシード権を取りにいく。
日本体育大学(77年連続77回目)
【前回順位】 16位(予選会4位)
【過去の戦績】 優勝10回(1969、70、71、72、73、77、78、80、83、2013)
【監督】 玉城良二(2020年〜)
【主将】 分須尊紀
【チームの特徴】
箱根予選会を4位で通過し、1949年の初出場からの連続出場記録を77に伸ばした。エントリー入りした4年生は8人と最多。前回8区区間2位の主将・分須尊紀や同10区区間6位の住原聡太ら最上級生を中心に、予選会チーム内トップのエース・山崎丞、全日本駅伝で1区区間賞の平島龍斗(ともに3年)といった頼もしい後輩が先輩たちを後押しする。今回は上位に進出を果たし、半世紀以上も箱根路を走り続け、総合優勝も10回を誇る伝統の底力を見せたい。
中央学院大学(2年連続24回目)
【前回順位】 19位(予選会5位)
【過去の戦績】 最高順位3位(2008)
【監督】 川崎勇二(1992年〜)
【主将】 吉田礼志
【チームの特徴】
2015年から5年連続シード権を獲得した強豪校だが、前回は19位に沈み、涙を飲んだ。巻き返しを誓った今シーズンは、10000メートルで27分47秒01、ハーフマラソンで1時間00分31秒の記録を持つ主将・吉田礼志(4年)を実業団の合宿に参加させ、チームの底上げを図った。それが功を奏し、近田陽路(3年)が箱根予選会で吉田に次ぐチーム2位、個人18位と急成長。2年連続の本戦出場に大きく貢献した。"花の2区"で区間賞を狙う絶対的エースと、頼もしさが増したメンバーの全員が一丸となり、目標の総合5位を目指す。
中央大学(8年連続98回目)
【前回順位】 13位(予選会6位)
【過去の戦績】 優勝14回(1926、48、50、51、53、55、56、59、60、61、62、63、64、96)
【監督】 藤原正和(2016年〜)
【主将】 佐野拓実
【チームの特徴】
前回は体調不良の選手が続出するアクシデントに見舞われ、3年連続でのシード権獲得を逃した。雪辱を期す今シーズンは、前回7区区間賞の吉居駿恭と、10000メートルで27分52秒38の記録を持つ溜池一太(ともに3年)のダブルエースを中心とした分厚い選手層で、上位進出を狙っていく。箱根予選会6位、全日本駅伝で12位と苦しいレースが続いている点が気がかりだが、"3強"の牙城を崩せるだけのポテンシャルは秘めている。本来の走りを取り戻し、箱根で最多14回の総合優勝を誇る伝統校としての存在感を示したい。
日本大学(2年連続91回目)
【前回順位】 15位(予選会7位)
【過去の戦績】 優勝12回(1935、36、37、38、40、43、57、58、65、67、68、74)
【監督】 新雅弘(2023年〜)
【主将】 中澤星音
【チームの特徴】
総合優勝12回を誇る伝統校だが、4年ぶりに本戦復帰を果たした前回は15位と振るわず。シード権からも、2014年の7位を最後に遠ざかっている。上位争いに食い込みたい今回は、今年4月に10000メートルで日本学生歴代3位の27分20秒をマークした留学生エースのシャドラック・キップケメイ(2年)を軸に、同じく10000メートルで28秒台の記録を持つ安藤風羽(4年)、冨田悠晟、鈴木孔士(ともに3年)らが脇を固める編成で臨む。2、3年生が主力のチームなだけに、今回はもちろん、来年以降につながるレースを期待したい。
東京国際大学(2年ぶり8回目)
【前回順位】 不出場(予選会8位)
【過去の戦績】 最高順位5位(2020、22)
【監督代行】 中村勇太(2024年〜)
【主将】 楠木悠人
【チームの特徴】
前回は箱根予選会でわずか3秒及ばず本戦出場を逃したが、今回は8位で2年ぶりの箱根路復帰を果たした。5000メートル、10000メートル、ハーフマラソンの学生記録を持つリチャード・エティーリ(2年)を絶対的な柱に据え、日本人エースの佐藤榛紀、10000メートルでチーム内日本人2位のタイムを持つ木村海斗(ともに4年)ら最上級生たちがチームを牽引する。過去最高の総合5位以上に入り、11月に亡くなった天国の横溝三郎監督に吉報を届けたい。
神奈川大学(2年連続55回目)
【前回順位】 21位(予選会9位)
【過去の戦績】 優勝2回(1997、98)
【監督】 中野剛(2024年〜)
【主将】 飯塚厚
【チームの特徴】
箱根駅伝で2度の総合優勝に導いた大後栄治前監督が勇退し、今シーズンから中野剛監督が就任。新体制で8年ぶりのシード権を目指す。箱根予選会では、ハーフマラソンで1時間2分14秒の好記録を持つエース・宮本陽叶(3年)が熱中症で途中棄権も、総合力で2年連続の本戦出場を勝ち取った。宮本に加えて、前回10区区間8位の酒井健成(3年)、10000メートル28分台の中原優人(4年)らロードで強化してきた選手を中心に、粘り強く、ひとつでも上の順位を狙いたい。
順天堂大学(14年連続66回目)
【前回順位】 17位(予選会10位)
【過去の戦績】 優勝11回(1966、79、81、82、86、87、88、89、99、2001、07)
【監督】 長門俊介(2016年〜)
【主将】 服部壮馬
【チームの特徴】
総合優勝11度を誇る言わずと知れた強豪校だが、前回は17位に沈み、4年ぶりにシード権を逃した。再起をかけた今シーズンは、"元祖・山の神"今井正人ら百戦錬磨のコーチ陣を招へい。箱根予選会では、次点とわずか1秒差でボーダーライン上の10位に入り、14年連続での本戦出場を掴み取った。ハーフマラソンで1時間1分台を持つエース・浅井皓貴(4年)が軸だが、3000メートル障害で日本高校記録を持つ永原颯磨、10000メートルで28秒台を記録した玉目陸(ともに1年)らルーキーたちにも注目したい。今年のスローガンとして掲げた「下剋上」を成し遂げ、古豪復活を狙う。
関東学生連合(2年ぶり20回目)
【前回順位】 不出場
【過去の戦績】 最高順位4位(2008)
【監督】 小指徹(東農大)
【主将】 古川大晃(東大院D4)
【チームの特徴】
前回の第100回大会は記念大会で連合チームが編成されなかったため、2年ぶりの登場となる。箱根予選会で最上位の個人22位だった小山洋生(筑波大)や、27位の森川蒼太(流経大)など16校の核となる選手が揃う。また、今大会最年長の29歳で挑戦する東大大学院の古川大晃にも注目したい。自身3度目の選出で、過去2回は補欠で出場はかなわなかった。そして今回、憧れ続けた箱根路を走ることができるのか。上位進出を狙うチームのレース展開はもちろん、彼の夢がかなう瞬間も見逃せない。
箱根駅伝2025 國學院大、駒澤大、青山学院大ほか注目大学&選手
陸上競技をやっていたわけでもないのに、どうして毎年テレビ中継を見続けてしまうのだろう――。お正月の風物詩、箱根駅伝(第101回東京箱根間往復大学駅伝競走)が近づいてきた。出雲駅伝、全日本大学駅伝を制し、初の箱根優勝に向けて意気上がる國学院大、2年ぶりの覇権奪回に燃える駒澤大、分厚い選手層で連覇を目指す王者・青山学院大、さらにはその"3強"崩しを虎視眈々と狙う伏兵たち......。そんな箱根駅伝2025の見どころをピックアップ。学生たちの心を揺さぶる走りを見逃すな!