【箱根駅伝】日体大、日大...予選会突破校にもチャンスあり。本大会は波乱の予感 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 藤田孝夫●写真 photo by Fujita Takao

「前回の予選会落ちは私のミス。予選会を甘く考えて、ペース配分の指示もしなかった。だが今年は予選会通過のためのチーム作りをして、グループ練習も増やした」と語る鈴木従道監督によれば5㎞ごとのペースを、ベンジャミンは14分30秒、28分台の記録を持つ佐藤佑輔(4年)と田村優宝(3年)は15分前後、他のメンバーは15分30秒でいき、1時間02分以内で走るようにと指示をした。

「ベンジャミンは予定より良かったけど、60分切りの力を持っている佐藤は1時間00分33秒、田村は1時間01分35秒と悪かった。その他は7番手までが1時間01分台と予定通りだが、7位通過は不満足」(鈴木監督)

 だが本番となれば、東海大の村澤明伸がいないこともあり、1万m28分03秒43の記録を持ち、今回も積極的なレースで結果を残したベンジャミンが大きな武器になる。そこで独走体勢を築くことも可能だろう。鈴木監督は「1区は田村にすると思うから、それで2区までは決まる。5区も、今回出られなかった吉田貴大が力を持つ上り要員。佐藤を4区くらいに使えば、往路でガツンといけるようなレースはできるはず」と、明るい表情を見せた。

 現段階で箱根をにらめば、戦力的には駒大と東洋大が充実し、それを青学大と早大が追う状況だ。だが出雲では、1区の出遅れによって駒大が5位、早大は6位に沈んだ。ひとつ狂えば何が起こるかわからないのが駅伝だ。予選会を2位で通過した帝京大の中野孝行監督も、「東海大と拓大が落ちて2区の大砲(村澤とダンカン・モゼ)ふたりがいなくなったから、面白い展開になりそう」と笑みを浮かべる。

 混戦が予想される今回の箱根駅伝。予選会組がそれにどこまで拍車をかけるかが興味深くなってきた。

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