ホンダも驚くバトン6位入賞。「上位で戦うレースは楽しいものだ」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 やがてフェラーリやレッドブルには抜き去られたが、タイヤがタレるまでは予想以上の好走を見せた。だが、1ストップ作戦で走り切ろうというチームもあるなか、タイヤの保ちがよくないマクラーレン・ホンダは2ストップ。ピットストップをするたびに、古いタイヤで長く引っ張る下位のマシンの後方に戻ることになってしまった。

 1周のラップタイムでは速くても、ストレートで背後につけなければ抜けない。バトンはザウバー相手に苦戦を強いられた。

「僕らよりペースが遅いはずのクルマでも、ストレートの中盤までには消え去ってしまうんだ。ストレートエンドでは捕まえることができるけど、それまでに追いついていないとオーバーテイクを仕掛けることは難しいし、追い抜くためにはかなりリスクを負わなければならなかった」

 それでもなんとかDRS(※)を使ってオーバーテイクし、前走車に抑え込まれることなく自分たちのペースで周回を重ねることができた。最後はレッドブルのダニエル・リカルドが新品タイヤに換えて猛追してきたが、エンジニアはタイヤを痛めないように「頑張るな、争わなくていい」と指示して、最後まで自分たちのレースに専念した。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。ドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

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