ホンダも驚くバトン6位入賞。「上位で戦うレースは楽しいものだ」 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ホンダの長谷川祐介F1総責任者も、上位勢との戦いに夢を抱いたりせず、現実的にレース展開を見据えていた。

「早々に前に行かれてしまうんじゃないかと思います。逆に、早々に前に行かせずにそこで頑張っちゃうとタイヤも壊しちゃいますし、自分たちのレース戦略が生かせませんから。それよりも自分たちのレースをしたほうがいいと思っています。(上位勢との無理な戦いで)フォースインディアやトロロッソとの戦いを台無しにしてしまうようなことがないようにしなければいけません」

 実はマクラーレン・ホンダは、このオーストリアGPにそれほど大きな期待を持って臨んでいたわけではなかった。

 斬新なスリットの入った複雑形状の新型リアウイングと新型フロアを持ち込んだが、リアウイングのほうはフリー走行1回目に少し走らせただけで、「我々がトライしている新しいコンセプトの空力パーツだが、データが十分でなかったため、今週末は実戦使用しないことにした」(エリック・ブリエ/マクラーレン・レーシングディレクター)。つまり、アップデートは順調には進んでいないのだ。となれば、ダウンフォースが足りないがゆえに、タイヤのデグラデーションは早く進む。

 さらに、ホンダが持ち込もうと計画していた吸気系のアップデートも間に合わず、次のイギリスGPに持ち越しとなってしまった。

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