【木村和久連載】変化しつつあるメンバーコース 団塊世代の引退&少子化加速による影響とは? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa

(3)クラブ競技、イベントの維持
 倶楽部はメンバーの社交の場ですから、クラブチャンピオン杯や理事長杯、月例杯などのクラブ競技を実施します。こういった競技の参加者はだいたいメンバーの約1~2割ぐらいと言われているので、メンバーが極端に少ないと、競技が成立しなくなる恐れがあります。そうなると、倶楽部に活気がなくなってしまいます。

 そこで、メンバーを新たに増やし、メンバーシップコースを維持しようと、どこの倶楽部も頑張っているのです。

 一方、メンバーの競技離れの傾向があるのも事実です。昔の高度成長時代は「いつかはシングル」とメンバーは競技に参加して、シングルを目指すのが当たり前でしたが、今はそういう上昇志向のメンバーが減りつつあります。

 ですから、どの倶楽部もレギュラーティー競技や新ペリアで行なう懇親競技を増やし、メンバーたちが切磋琢磨することから、メンバー同士の親睦を深めることのほうに注力しています。

(4)メンバーの特権がなくなる!?
 メンバーは休日にふらりとコースに行っても、フリーで来ているメンバーさんとの組み合わせでラウンドができる。それが、メンバーコースの特権と言われてきました。

 それも、メンバー数の減少で、フリーで来ても組み合わせが成立しない場合があります。おかげで、「ひとりで来てもいいですが、前日に連絡してください」というコースが結構多くなっていますね。

 以前、ゴルフ会員権を買う時に、土日にひとりでコースに来場した場合、組み合わせでラウンドができるかどうか、聞いて回りました。すると、多くはその保証はできない、と。フリーのメンバーがいる時もあれば、いない時もある、とのことでした。

 もしひとりでコースに来たいなら、「提携している『ひとり予約システム』を利用してくれ」と言われたこともあります。じゃあ、メンバーでなくてもいいじゃん、ビジターのままでいいじゃん、と思ったものです。

 そういえば、以前『ひとり予約』でプレーした時、そのコースのメンバーさんが紛れていました。その人はメンバーなのに、「メンバーと回るのは苦手だ」って言っていました。あれは、おかしかったなぁ~。

 そんなわけで、メンバーが少ないと、いろいろと弊害が出てくるので、倶楽部側はなるべくメンバーが減らないように努力しているのです。

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