ヤクルト小川監督、投手陣についてニヤリ。「先発候補は9人もいる」 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

―― 28人から29人になったベンチ枠については、どうお考えですか。

「まずは候補の多いピッチャーを多く入れることが、一番の選択肢になると思います。そのなかで左の中継ぎ不足という現状を考えると、ハフがいいのかなと思いますが、外国人枠の問題があります。6番目の先発候補に入れて、1~2回投げたら抹消という選択肢もある。また、野手を入れるというアイデアもあります。レギュラー陣はベテランが多く、そこに川端や畠山和洋が戻ってくれば、どうしてもスペアが必要になる。結局は、その時の状況次第になってしまうのですが、まずはピッチャーをどう回すか、そして外国人枠をどう使うのか......29番目の枠は、我々が知恵を絞って考えないといけないですね」

―― ライバル球団に対してはどうですか。とくに広島は、昨年6勝19敗と大きく負け越しました。

「カープは戦力が揃っていて、強いのはわかっています。巨人は積極的な補強をして、額面どおりの働きをすればすごい打線が組めますよね。阪神はもともと投手陣がよく、そこに西勇輝とガルシアが加入して、かなり強力になりました。DeNAと中日も今シーズンにかける思いは強いと思いますし。

 ただ、補強して戦力アップしたことや、広島との対戦成績などは情報として必要なんですけど、僕としてはそういう先入観をもって戦わない方がいいかなと思っています。大事なのは目の前の試合をどう勝つかということです。いかに1点を取りにいき、いかに失点を防ぐか。相手チームを意識して戦うことはないと思います」

―― チームスローガンは「躍進」です。

「当然、最終的な目標は優勝ですし、どこのチームにも勝つ可能性は十分にあると思っています。野球は必ずしも強いチームが勝つとは限りません。まずは1試合1試合を、去年と同じように執念を持って戦い抜くことです。あきらめない気持ちを持ち続け、こなすようなプレーは見せない。カープの強さはそこですよね。点差が開いてもジワジワと追いついてきて、最後にひっくり返してしまう。去年もそういう試合がいくつかあったと思います。選手たちには、開幕前にそこをもう一度伝えたいと思っています。シーズンは143試合と長丁場ですけど、ベテランと若手をうまくミックスして、それが戦力としての上積みになるように、我々がいろいろと考えることも必要だと思っています」

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