ルーキー今永も模索。「プロで15年やってきた選手」は何が違うのか

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 DeNAの新人左腕・今永昇太は、プロ2勝目を挙げた5月14日の阪神戦のあと、こんなことを言っていた。

「プロ野球選手として勘違いした選手にはなりたくない。そういう選手は、いい印象がないと思うんです。今日はたまたま勝てましたが、僕は勝ったことに満足しない選手になりたい。(プロの世界で)長く続いている人は、そういうことができているんだと思います」

今季、プロ16年目を迎えたソフトバンクの内川聖一今季、プロ16年目を迎えたソフトバンクの内川聖一

 そう冷静に話す22歳の今永の表情を見ていると、その1週間前に取材をしたロッテの大村巌二軍打撃コーチの言葉を思い出した。

「野球に特別な才能があるからこそ、ごく一般的な常識を持たなければいけない」

 これはロッテのルーキー平沢大河について聞いたときに言ったもので、大村コーチはこうも語っていた。

「技術の成長と並行して、社会人としての教育も重要視しています。(平沢は)未成年ですから、雨の日には傘が必要なように、いま野球選手として必要なものを揃えているところです。試合前の準備はしっかりやる。夜は練習をする。一軍の投手を見て勉強する。いい睡眠をとる。お菓子ばかり食べない。炭酸飲料水ばかり飲まない。これから"一流の野球選手"になるための土台づくりをしていきます。数字だけの選手にはしたくない」

 それぞれ別々の場所で聞いた話が頭の中で結びつき、選手が「プロ野球選手として大切にしていること」に興味が沸いた。そこで3人の選手に話を聞いた。

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