フィギュア国別3位の日本。カップル競技の強化は可能か

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 2018年平昌五輪に向けた最初のシーズンとなった今季。その最後のイベントとなった世界フィギュア国別対抗戦が19日のエキシビションで終了した。日本は、2大会連続優勝のアメリカ(獲得ポイント110点)、ソチ五輪団体戦金メダルのロシア(同109点)に次ぐ、合計103点で銅メダルを獲得した。

3位になった日本。ペアは古賀亜美(前列右から2人目)とフランシス ブードロ・オデ(後列右から3人目)が出場3位になった日本。ペアは古賀亜美(前列右から2人目)とフランシス ブードロ・オデ(後列右から3人目)が出場 前回大会2位のカナダ(同82点)を抑えての表彰台は、羽生結弦や宮原知子ら男女シングルの選手の力によるところが大きかった。チームキャプテンを任された無良崇人は「結弦という大きな存在に頼るだけでなく、シングルのメンバー全員がしっかり、力不足のカップル競技の分までカバーしていくことが、(これからも)団体戦には必要になってくると思う」と、総括した。

 今回のような団体戦は、選手たちにとっても新たな気づきや個人戦の競技会とは違った一面を引き出すきっかけになるようだ。

 宮原は18日の女子フリーで自己ベストを更新する129.12点の高得点をマークするノーミスの演技を披露した直後、チームメイトがいる応援席に向かって両腕を上げて大きなガッツポーズ。普段の試合では決して見せない表情に驚かされた。宮原本人も、自分の演技が良かったからというよりも、団体戦を一緒に戦う仲間に対して、「自然に沸き上がる思いがあったから」とはにかんだ。

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