フィギュア国別3位の日本。カップル競技の強化は可能か (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 一方で、ペアとアイスダンスはいずれも最下位だった。

 3年後に迫る平昌五輪に向けて、ソチ五輪で叶わなかった団体戦でのメダル獲得を狙うためには、日本はカップル種目の強化が最大の課題となる。日本フィギュア界には歴史的にもなかなかカップル種目の選手が育たない土壌があることは事実だが、その強化なくしては団体戦のメダルは夢のまた夢である。

 特にペアの選手育成は急務になっている。今大会に急遽出場することになったペアの古賀亜美(16)、フランシス ブードロ・オデ(21)組は現在ジュニアで、2013年に結成された日本とカナダの国際カップルだ。だが古賀、ブードロ・オデ組は、現在の状況では国籍問題があって五輪出場はできない。

 本来であれば、ソチ五輪代表でもあり、3月の世界選手権にも出場した高橋成美、木原龍一組が出場する予定だった。2013年1月に日本スケート連盟の強力な後押しもあって結成され、次の平昌五輪での活躍が期待されていた高橋、木原組だが、世界選手権後の3月31日にコンビ解消を発表。シニアの日本人同士のペア選手が日本にいなくなったわけだ。

 高橋、木原組の「破局」について、小林芳子フィギュア強化部長は「木原選手本人からの申し出があり、佐藤有香コーチから連絡が入った。これが原因というはっきりしたものはない。お互いの長所を生かせず、短所をカバーできなかった不満が積もり、『2年目のジンクス』と言われるように今季はなかなか成績が出なかったことでモチベーションが上がらなかったのだと思います」と語っている。

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