【箱根駅伝】山に自信の早大が優勝するための条件

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 長田洋平/アフロスポーツ●写真

注目大学はどう戦うか(3)

 渡辺康幸監督が今年度限りでの退任を発表した早稲田大学。11月の全日本大学駅伝では1区で出遅れて流れに乗れず、7位に終わった。だが箱根となると、駒澤大学を追う優勝候補の一角というのは誰もが認めるところだ。近年、最重要区間となっている山上りの5区に、1年だった12年に1時間19分52秒で区間3位になっている山本修平(4年)がいるからだ。

渡辺康幸監督が絶大な信頼を寄せる山本修平(早大)渡辺康幸監督が絶大な信頼を寄せる山本修平(早大) 山本は前回、アキレス腱痛で出場することができなかった。今年も春先までは、主将になった責任感もあって苦しんでいた。だが11月の全日本大学駅伝では、4区で駒大のエース・中村匠吾(4年)に8秒遅れただけの区間2位となり、復調してきている。 

 また山下りの6区には、1年の時から適性を認められていた三浦雅裕(3年)がいる。前回初めて6区を走り、58分51秒で区間2位になっている。この二枚看板はライバル校も無視できない。

「山本は、"山の神"と言われた柏原(竜二、東洋大学卒業)や今井(正人、順天堂大学卒業)ほどではない。でも今年の彼には『2年分』という気持がある。今回は駒野亮太(早大)コーチが08年に出した1時間18分12秒を目標にしていて、うまくいけば17分台を期待しています。それに三浦はたぶん今回、57分台でいけると思いますね。1年の時の試走を59分台で走ったので、うちのコーチが当時、『4年間のうちに区間新を出しますよ』と言っていたくらいの選手なんです。1年の時は4年生に経験者がいたから使わなかったけど、前回もアキレス腱痛であまり練習ができなかったのに58分51秒で走っている。今回はもっといけるはずです」

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