角田裕毅、2度目のブラジルはガスリーに代わってチームを牽引。セナの生まれ故郷で主役になれるか (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

「シミュレーターで感じられるのはすごくバンピーだということなので、実際にそれがどこまでアグレッシブなのか、特にブレーキングゾーンなどでトリッキーになるかですね。左回りのサーキットで体力的にも厳しいのは去年のレースでも感じましたし、特に首がきつかった。そういう点(横G)ではシーズンで最も厳しいレースのひとつだと思います。でも、今年は体力的もしっかりと準備ができていると思います」

 前戦メキシコシティGPではリタイアに終わったものの、「今季ベスト」と言うタイヤマネジメントを実行して入賞が目の前に見えていた。同じような走りができれば、サンパウロでも入賞のチャンスは十分にある。

 スプリントレースで30分間みっちりと実戦を学べるのは、2年目の角田にとってもいい経験になるだろう。事実、ここまでスプリントレースが行なわれたイモラとシルバーストンでは、好走を見せ好位置につけている。

 角田に必要なのは、劇的なドラマではなく、堅実に、クリーンにレースを戦い抜いてポイントを獲得することだ。

 アルファタウリはコンストラクターズランキング9位に沈んでおり、1点差の8位ハース、14点差の7位アストンマーティン、18点差の6位アルファロメオを追いかけている。残り2戦となった今、スプリントレースもあるサンパウロGPでしっかりとポイントを積み重ねることが極めて重要だ。

 チームメイトのガスリーは、昨年は中団グループ最上位の7位でフィニッシュしている。

 しかし、今年は出場停止の危機に直面している。ペナルティポイントが10点となり、あと2点で次戦出場停止の処分が下されることになるからだ。

「とても快適ではないし、慎重さを要する状況だね。シーズンを戦ってきてここで出場停止の可能性がある立場にいるのは、ちょっと困惑する状況でもある。もちろんすべてのレースに出場し、ベストなかたちでアルファタウリとのシーズンを締めくくりたいと思っているよ」

2 / 4

厳選ピックアップ

このページのトップに戻る