小林浩美会長に聞く「なぜ今、女子ゴルフが大人気なのか?」 (3ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • 甲斐啓二郎●写真 photo by Kai Keijiro

―― 日本のゴルフ界は、2003年のミヤギテレビ杯で優勝した宮里藍選手と、2007年の石川遼選手のアマチュア優勝が大きなターニングポイントとなりました。しかし、男子ツアーは苦戦し、試合数も27大会(海外共催含む)です。なぜ女子ツアーはニューヒロインが次々と誕生し、ツアー全体の人気につなげられたのでしょうか。

小林 宮里藍選手の同世代には横峯さくら選手や諸見里しのぶ選手がいて、いい意味でライバル同士が競り合い、お互いのレベルアップにつながったと思っています。同期が活躍すると、「私も勝ちたい。続きたい」となりますよね。そのあとの有村智恵選手や原江里菜選手の世代もそうなっています。現在は、アマチュアの勝みなみさんが優勝し、同世代の選手が同じことを考えていると思いますし、実際、昨年当時アマチュアの森田遥さんと話した時は「プロと同じ練習をして、プロの試合で勝つことが目標です」と言っていました。頼もしいですよね。

―― 大会を開催したいというスポンサーがあとを絶たず、今は“順番待ち”の状況だとお聞きしました。

小林 おかげさまでオファーはいただきます。LPGAツアーはこの30年ほど、年間30試合以下になったことがありません。1989年から1992年は、39大会フルでありました。当時はバブルの真っ最中でしたが、不景気に陥(おちい)っても、たくさんのスポンサーさんが支援を続けてくださっています。日本のゴルフトーナメントは、大会スポンサーさんがたくさんのお金を出してくださるからこそ開催できる。毎年、毎試合テレビ中継があり、途切れることがありません。そして長年にわたり、継続して大会を開催してくださる上で、重要なポイントはプロアマ大会です。スポンサー各社が、大事なお客様をプロアマ大会にご招待して、女子プロと一緒にその日を楽しんでいただく。私たちはそのお客様に喜んでいただけるように選手と一緒になって努力しています。トーナメントを開催してくださるスポンサーも、当然のように費用対効果を考えています。ですから、我々としては、プロアマを重要視してきました。

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