井端弘和がパ・リーグGグラブ賞9人を分析。「源田壮亮のうまさは、捕る瞬間が柔らかく、打球に衝突しない」

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

 先日、シーズンを通してそれぞれのポジションで最も守備力に卓越した選手に贈られる「ゴールデングラブ賞」の発表があり、セ・パ合わせて18人の選手が受賞した。このうち初受賞が8人とフレッシュな顔ぶれになったが、51回の歴史を誇る同賞の遊撃手部門で"ゴールデングラブ・レジェンズ"に選ばれている井端弘和氏に、今回選出された18人の守備力について語ってもらった。まずはパ・リーグから。

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守備で最も大事なことは?

── まず選手の評価を聞く前に、井端さんが現役時代に守備で一番大事にされていたことは何ですか?

井端 僕の場合は、打ちとった打球、自分のところに飛んできた打球を確実にアウトにするということを意識していました。捕ってからすぐに投げてアウトにする選手もいれば、ゆっくりと確実にアウトにする選手もいる。そこは人ぞれぞれですが、大事なことは確実にアウトにするということ。それ以上でも以下でもありません。

── 亜細亜大学時代は二塁が本職で、遊撃手となったのはプロ入り後。それでいてゴールデングラブ賞7回は驚異的です。ショートを守るきっかけは何だったのですか?

井端 プロに入って1、2カ月でショートにコンバートされました。それまでショートを守っていた李鍾範さんが骨折後、外野にコンバートされ、久慈照嘉さんが穴を埋めました。それに伴い、ファームの遊撃手が一軍に昇格。さらに、ファームにいた別の遊撃手がトレード、ケガもあって、私がショートを守ることになりました。

── ショートは難しいポジションだと思いますが、そんなに早く対応できるものですか。

井端 2年間はファームでみっちり鍛えられましたから。その経験がのちに生きたと思います。

── 落合博満監督1年目の2004年、中日から6人の選手がゴールデン・グラブ賞を獲得しました。

井端 優勝したことも大きかったと思います。僕は、ずっと宮本慎也さんの背中を追いかけて、常に「エラー0」を究極の目標にやっていました。バッティングは打っても3割、7割が凡打です。「打てなきゃ守れ!」ですよ。

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