バーランダーが火つけ役。MLBは「高めのフォーシーム」が新トレンド (2ページ目)

  • 福島良一●解説 analysis by Fukushima Yoshikazu
  • photo by AFLO

 ただ、2015年のシーズンすべての内容が悪かったわけではありません。シーズン途中から投球スタイルを変えたところ、バーランダーの成績は見違えるように上向きになりました。

 投球スタイルの変化とは、「高めのフォーシーム」を意識して投げるようになったことです。その結果、2015年のシーズン最初の7試合が防御率5.57だったのに対し、ストレートを高めに多投するようになった後半13試合は防御率2.36と、飛躍的に数字がよくなりました。

 また、最初の7試合と後半の13試合を比べて見ると、奪三振率と内野フライ率にも大きな変化が表れています。奪三振率は13.8%から24.9%に、内野フライ率は10.0%から15.5%へと上昇。フォーシームの平均時速は93.5マイル(約150キロ)と変わっていないのですが、コースを高めに意識して投げるようになったことで、奪三振率・内野フライ率ともに数値が向上したのです。

 ではなぜ、バーランダーは高めのフォーシームを多投するようになったのか――。その背景にあるのが、スタットキャストで割り出されたスピンレートにあります。メジャー全投手のスピンレートがわかるようになると、そのデータをもとに分析した結果、「スピンレートの多いピッチャーは、高めのフォーシームがより有効となる」ということが判明したのです。

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