富永啓生はNBA選手になれるか?「ディフェンス面で改善の余地がある」NCAAを知る「先駆者」松井啓十郎が魅力と課題を語る (3ページ目)

  • 永塚和志●取材・文 text by Kaz Nagatsuka
  • photo by AFLO

 また、どこの大学にも『スタディーホール』という場所があって、特に1年生は20時から22時くらいまで宿題をやる時間をチームから指示され、必ず毎日そこに行かないといけない。そういう(勉強とバスケットボールの両立の)ところが、けっこうきつかったかな」

 富永の代名詞が3Pであることは言うまでもなく、NBAにもこれを武器として挑むことになる。Bリーグ通算41.2%の3P成功率を誇る(2019-20シーズンは成功率47.2%でB1トップ)など、シューターとして有名な松井は富永の能力をどう見ているのか。

---- 富永選手のシュートのすごさは、具体的にどういう部分でしょう?

「シュートレンジ──打てる距離が遠いのは、まずすごいですよね。彼はジャンプシュートというより、セットシュート気味なんです。僕の場合は最高到達点から打つジャンプシュートなんですけど、彼の場合は最高到達点に行く前に打っちゃうみたいな。

 富永選手はステフィン・カリー(PG/ゴールデンステート・ウォリアーズ)を尊敬しているので、そんなに力を入れずに打つタイプだと思います。だからあれだけの距離から打てるのもありますし、あれだけ走り回ってもシュートがブレにくい。そこが彼の強みですね」

---- 富永選手の3Pを見ていると、シュートをピュッと放つ形で腕を伸ばしたフォロースルーが入らないこともありますね。

「そこもちょっとカリーっぽい。僕はクレイ・トンプソン(SG/ゴールデンステート・ウォリアーズ)が好きなんですけど、シュートの形はカリーと違うじゃないですか。トンプソンはしっかりとフォームを意識してジャンプシュートを打ちますよね。でも、カリーは自分のタッチを確認しながら打つみたいな感じ」

---- シューターとして成功するため、松井選手はどのように努力をされてきましたか?

「僕もそこまでサイズがあるわけでもなかったので、高校時代は『いかに速くシュートを打つか』というところをすごく練習しました。また、いろんなステップからでも打てるように......常にワンツーじゃなく、ジャンプショットから打ったり、ターンをしながら打ったり。

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