2024シーズンのF1勢力図が見えた レッドブル→フェラーリの次に有望なチームは? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【中団グループで角田裕毅のライバルとなるのは?】

 レースシミュレーションの結果を見るかぎりでは、レッドブルとフェラーリの次に有望に見えるのがアストンマーティンだ。

 一発のタイムでは目立った走りを見せていないが、フェルナンド・アロンソはフェルスタッペンと同様に第1スティント想定と思われるロングランで良好なデグラデーションを記録している。

 それでもアロンソは、アストンマーティンにとっての初優勝、自身待望の33勝目が挙げられるかという問いには、やや悲観的だった。

「勝てるクルマかどうかはまだわからない。でも、マックスとレッドブルの走りを見た今となっては、ほかのドライバーが今年勝つチャンスは彼よりも少なそうだと感じている。

 今年もマックスがチャンピオンだと思うし、レッドブルが独走するだろう。彼らの新しいコンセプトはサプライズだしね。今のところ、僕らには彼らがどこまで速いのかを見ていることしかできない。19人のドライバーは、今年はもうタイトル獲得が無理だと思っているんじゃないかな。F1というのはキャリアの99%がそうだし、そういう無残なスポーツだけどね」

 中団グループではウイリアムズが好走を見せており、角田裕毅のビザ・キャッシュアップRBと好バトルを見せそうだ。マシンを刷新したアルピーヌはまだ習熟の段階にあり、どんなポテンシャルを秘めているのかは未知数。

 しかし少なくとも、トップ5チームと中団5チームという構図ではなく、トップから最下位までが僅差のなかでひしめくシーズンになりそうだということは、おぼろげながら見えてきた。

 コンマ数秒の差で上位に浮上することもあれば、下位に転落することもある。誰もがそのチャンスとリスクととなり合わせ。2024年はこれまで以上に面白いシーズンになりそうだ。

プロフィール

  • 米家峰起

    米家峰起 (よねや・みねおき)

    F1解説者。 1981年1月31日生まれ、兵庫県出身。F1雑誌の編集者からフリーランスとなり2009年にF1全戦取材を開始、F1取材歴14年。各種媒体に執筆、フジテレビNEXTやYouTube『F1LIFE channel』での解説を務める。

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