2024シーズンのF1勢力図が見えた レッドブル→フェラーリの次に有望なチームは? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

【F1関係者たちが白旗を上げたテスト内容とは?】

 まさにそこが昨年の課題だったフェラーリは、テスト2日目と3日目に両ドライバーがフルレースシミュレーションを行なった。それに対し、レッドブルはセルジオ・ペレスが2日目の日中の暑いコンディションで行なっただけで、開幕戦バーレーンGPが行なわれるトワイライトのコンディションでは行なっていないため、正確な比較は難しい。

 それでも、フェルスタッペンが3日の夕方に行なった第1スティントのシミュレーションと思われる3本のロングランを見ると、ペースの速さもさることながら、タイヤデグラデーション(性能低下)の圧倒的な少なさが目立つ。

 ほぼすべてのマシンが右肩下がりにペースが落ちていくのに対し、レッドブルだけは右肩上がりのペースを刻む。タイヤはタレず、燃料が軽くなった分だけペースが上がっていく状態だ。

 これを見て、F1関係者たちは白旗を上げているのだ。

 当のフェルスタッペンは、排水溝の蓋トラブルでセッションが中断したことを受け、2日目午後の予定を変更して3日目をフルに走ることになったが、余裕の表情を見せている。

「テストはとてもうまくいったし、これ以上を望むことはできないね。もっと周回数が少なくて済むかと思ったけど、すべてがうまくいって思った以上に走ることになってしまったくらいさ。マシンバランスはすごくいいし、マシンへの理解を深めるためにいろんな変更を施していって、何も問題なくプログラムをこなすことができた」

 今年は多くのチームがレッドブルRB19に似たフォルムに追随するなか、レッドブル自身はガラリとフォルムを変えてきた。

 アグレッシブに閉じたサイドポッドと、大柄のエンジンカバー。ある意味ではメルセデスAMGの昨年型を彷彿とさせるルックスだが、その根底にあるコンセプトはもちろんRB19の延長線上であり、マシンのフィーリングも大きく変わってはいないとフェルスタッペンは言う。

「チームとしては『こうしたほうがポテンシャルがある』と信じているから、これを正しいと決めたわけで、僕はチームのことを信頼している。正直に言って、僕はマシンのルックスはどうでもいいよ。速ければね。

 シェイクダウンは雨だったから詳しいことまではわからなかったけど、それでも乗った瞬間から違和感なく感じられたんだ。シミュレーターで走っていたのと同じように感じられた。あとは、それを引き出すのは僕ら次第だね。僕たちがマシンバランスについてフィードバックをして、さらに改善していけるところもある」

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