F1フォトグラファーが明かすフェルスタッペン、アロンソらの素顔「撮影できて幸せ」 (3ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi

【ひと皮むけた42歳の大ベテラン】

ーー前半戦はアストンマーティンの活躍も印象的でした。新加入したフェルンド・アロンソが開幕から連続で表彰台に上がり続けました。

桜井 フェルスタッペンとは対照的に、今年はアロンソの表彰台が面白いです。毎回、いろいろポーズを決めてくれます。オーストラリアGPの表彰台では、派手なガッツポーズをするアロンソを見て、フェルスタッペンとハミルトンが笑っていました。それまでのアロンソはそんなことをするキャラじゃなかったですからね。なんとも奇妙な光景でしたね(笑)。

 アロンソは42歳の大ベテランですが、ひと皮むけたような気がしますね。昔のようにツンツンしている感じはなく、レースを楽しんでいるよう。チャンピオンを狙えるところにいないという気楽さがあるんだと思いますが、チームの調子もよくて、自分の気持ちを素直に表現していると思いますね。

 中盤戦に入って、アストンマーティンの勢いが少し落ちてきているのが気になりますが、前半戦は中年の星、アロンソがMVPでいいんじゃないですか(笑)。

オーストラリアGPで3位表彰台に上がり派手なガッツポーズを決めるフェルナンド・アロンソ 撮影/桜井淳雄オーストラリアGPで3位表彰台に上がり派手なガッツポーズを決めるフェルナンド・アロンソ 撮影/桜井淳雄この記事に関連する写真を見る熱田 そうですね。僕はアロンソがもともと好きだし、今年はすごくいい表情をしているので、撮影していておもしろいですね。フェルスタッペンの予選の走りがすごいという話がありましたが、アロンソがアタックしている時も気迫が伝わってきます。

 フェルスタッペンが速いのはレッドブルのクルマがいいというのもありますが、アストンマーティンで図抜けたタイムを出そうと思ったら、かなりリスクを背負って攻めないといけないんです。だから一発を狙っている時は、クルマの向きや縁石の乗り方、アクセルを開けるタイミングなど、普通に走っている時とは全然違う。

桜井 確かにアロンソも一発を狙ってくる時は、コースで撮影する僕たちにも伝わってきます。フェルスタッペンのアタックを「火花が散るような」と表現しましたが、そういう走りができるドライバーはF1でもなかなかいないですね。

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