角田裕毅「ポイント獲得を焦ってミス」と自己分析 雨のベルギーGPはマシン性能以上の結果を掴むチャンス (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

【スペインGPを最後に入賞圏外】

 一方、マシンのパフォーマンス改善もさることながら、このところレースが荒れていることも改善の必要な課題だと角田自身も理解している。

「シーズン序盤のパフォーマンスは満足のいくものでしたけど、ここ3戦は自分自身もとっ散らかったレースが続いている。ずっと改善努力をしている点ではありますが、無線交信だったりといった弱点も見えています」

 モナコGPでは入賞圏を走りながら、ブレーキ温度の問題で後退。スペインGPでは予選でのトラックリミット違反に始まり、決勝ではペナルティを科され、その対処を誤って無得点。

 カナダGPでは戦略ミス、オーストリアGPではトラフィックで予選をまとめられず、決勝では1周目に攻めすぎてマシンにダメージを負った。イギリスGPではマシンの競争力がなく、さらに決勝中にマシン挙動が不安定になる問題にも直面した。

 そしてハンガリーGPでは、雨のFP1で新型フロントウイングを壊して旧型を使用することになり、予選では最終アタックでタイムを更新できず0.013秒差でQ1敗退、それでも決勝では途中まで11位を堅守していたが、戦略がまずく後退してしまった。

 シーズン序盤5戦はほぼ完璧なレースで入賞圏を争っていたが、徐々に細かなミスが散見されるようになり、第8戦スペインGPを最後に入賞圏に絡むこともできなくなった。チームのミスも多々あったが、角田自身もミスを犯している。角田はその事実に向き合っているし、その原因も自己分析できている。

「序盤はマシンのパフォーマンスを引き出していくことに集中していて、そんなに前のめりになっていなかったんですが、最近はパフォーマンスが劣っているなかでポイント獲得を焦るあまり、ミスを犯すことが増えてきていると思います。

 去年に比べて今年の自分自身の進歩には満足しています。ですが一度、自分自身をリセットする必要がある。自分にできることに集中するべきだと思っています」

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