ガスリーも上機嫌。ホンダ新型PUはノーポイントでも競争力アップ (2ページ目)
規定により19番グリッドからのスタートを強いられたが、ガスリーはフォースインディアのセルジオ・ペレス、ハースのケビン・マグヌッセンをコース上でオーバーテイクし、レース終盤は25周も新しいタイヤを履くロマン・グロージャン(ハース)を抑え、DRS(※)を使われてもポジションを守る力強さを見せた。
※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくするドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。
これにガスリーは大きな手応えを感じ、上機嫌だったのだ。
「フォースインディアとハースをストレートで抜いたんだ、こんなの初めてだよ。ホンダはパフォーマンス面でとてもいい前進を果たしてくれたと思う。本当にポジティブなレースだったよ。
旧型仕様のパワーユニットで走っていたら、たとえ16番グリッドからスタートしていても、ここまでポジションを挽回することはできなかったと思う。最後尾グリッドスタートになってでも新型に積み直したのは、正しい判断だったと思うよ」
ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも、「スペック2」と呼ばれる新型パワーユニットの効果には合格点を与えた。
「タイヤのデグラデーション(性能低下)だとか、空力パッケージの違いによるトップスピードの違いなどいろいろあるとは思いますが、ガスリーはストレートで他のクルマをオーバーテイクできたし、最後にグロージャンを抑え切れたところでパフォーマンスを感じたとレース後にコメントしてくれました。
だから(性能が)どうだということを断言するのはそう簡単ではありませんが、チームもドライバーも今回のアップデートは非常にポジティブに受け止めてくれていて、今回のレース展開のなかでその力を発揮したと評価してくれています」
実はモントリオールでは、トロロッソのシャシーの仕上がりはあまりよくはなかった。リアのスタビリティ(安定性)があまりよくなく、ブレーキングと立ち上がりのトラクションでは苦戦していたのだ。
それをパワーユニットの出力向上が補って、競争力をもたらした形だった。逆に言えば、シャシー側が決まればマシンパッケージとして、さらなるパフォーマンス向上が可能だ。次のフランスGPには車体側のアップデートも投入される予定で、期待がかかる。
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