今春の皐月賞と日本ダービーを制すのはどの馬か? 5人の識者がいち早く予想してみた (4ページ目)

 気持ちとしては、ミカエルパシャが皐月賞、ダービーともにイケると思っているのですが、より可能性を感じるのがダービー。前走のGII東京スポーツ杯2歳S(11月18日/東京・芝1800m)でもパドックを見て、動きは柔らかいし、22kg増えていた馬体重も成長分で、2歳牡馬のなかでも「頭ひとつ抜けているな」という印象でした。

 ただ、レースでは出遅れて、スローな流れのなかで直線ではもたれまくり。まったく追えないような感じになって、最後に少し脚を使っただけで5着に終わりました。それでも、ポテンシャルは間違いないと察することができました。

 クラシックに向けては、能力をきっちり出しきれる状態に持ってこられるかどうかがポイント。ミスタージーティーと同厩のシンエンペラーも強力ですが、面白味という意味でも、ミカエルパシャにより魅力を感じています。

土屋真光氏(フリーライター)

◆皐月賞=シンエンペラー
◆ダービー=アーバンシック(牡3歳/父スワーヴリチャード)

 渋った馬場のGI凱旋門賞(フランス・芝2400m)を勝ったソットサスが全兄のシンエンペラー。ホープフルSではレガレイラのズバッとしたキレ味に屈しましたが、高速馬場の東京、クッションの効いた京都、パワーを要する冬の中山と、異なる適性が求められる舞台できっちり結果を出してきて、総合力の高さがうかがえます。

 2着に終わったホープフルSも、負けて強しの内容。むしろ、レガレイラのキレ味がハマりすぎた感があって、タフさが一段と求められる皐月賞では逆転が見込めます。

 アーバンシックは、札幌・芝1800mの新馬戦(8月13日)、1勝クラスの百日草特別(11月5日/東京・芝2000m)と連勝。同馬も札幌、東京という適性が異なるコースで結果を出している点から、地力の高さを感じます。

 牝馬で存在感を示しているレガレイラやステレンボッシュ(牝3歳)のいとこで、父は初年度から多くの産駒が活躍しているスワーヴリチャードという、今年の3歳世代のトレンドを集約させたかのような血統。京成杯から始動し、勝てば皐月賞でも有力視されるでしょう。

 ですが、ディープインパクトを出したウインドインハーヘアからなる血筋。それだけに、ダービーでこそ、と見ています。 

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る