今春の皐月賞と日本ダービーを制すのはどの馬か? 5人の識者がいち早く予想してみた (2ページ目)

坂本達洋記者(スポーツ報知)

◆皐月賞=バードウォッチャー(牡3歳/父ブラックタイド)
◆ダービー=ダノンエアズロック

 朝日杯FSやホープフルSで牝馬が存在感を示したなか、3歳牡馬戦線はいまだ抜けた存在がいないと思っています。そこで、皐月賞馬候補にはバードウォッチャーを抜擢します。

 キャリア自体は、まだ新馬勝ちを果たしたばかり。GIII京成杯(1月14日/中山・芝2000m)から始動するローテーションでクラシックを目指すことになりますが、血統的な底力があって、国枝栄厩舎悲願の牡馬クラシック制覇が期待できると踏んでいます。

 新馬戦(11月11日/東京・芝1800m)の前は、国枝調教師のトーンは上がっていませんでしたが、いざ実戦を走ってみたら、4角9番手からしっかりとギアを上げて、メンバー最速の上がりをマークして差しきり勝ち。味のある内容でした。

 国枝師はこの中間、「ひと回り力強さが出てきたね。だんだんよくなるタイプ。この兄姉はうるさいのが多いけど、この馬は素直。今のところ、優等生」とコメント。母アパパネに似た気性のよさを評価していました。

 国枝師によれば、2021年のGI秋華賞(阪神・芝2000m)を制した半姉アカイトリノムスメにも似ているとのこと。どちらかというと、奥手で成長力に優れているのかもしれませんが、何より同師が「似ている」と言いたいのは"実戦向き"という点だと思います。

 京成杯ではジュンゴールド(牡3歳/父エピファネイア)など強敵がいますが、皐月賞と同じ舞台で結果を残せば、一気に道が拓けると思います。

 ダノンエアズロックは重賞勝ちこそありませんが、デビュー2連勝。ダービー馬候補には、まだ底を見せていない魅力あふれる同馬を指名します。

 2022年のセレクトセール(1歳馬セクション)で4億5000万円(税別)もの高値で落札された良血馬。その際、生産者のノーザンファーム・吉田勝己代表が「あの馬は今まで見たことがないような、一番いい馬。お母さんもオーストラリアのチャンピオンですから、相当走ると思いますよ」と語っていたことが、強く印象に残っています。

 事実、母モシーンはオーストラリアのGIを4勝。半姉のプリモシーンは重賞3勝の活躍馬でしたから、素質の高さは疑いようがありません。

 そしていざデビューすると、新馬戦(6月11日/東京・芝1800m)では2番手から押しきる形で1着。その勝ちっぷりは派手ではありませんでしたが、ひと夏越して挑んだアイビーSでは目を見張る成長ぶりを披露しました。

 パドックでも緩さが目立ち、まだ頼りない雰囲気だった新馬戦に比べて、2戦目では馬体重が20kg増。その数字が示すように、力強さはもちろんのこと、伸びしろの大きさも感じました。レースも、のちにホープフルSを勝つレガレイラを完封。秘める瞬発力を発揮できたことは大きいです。

 過去にはソウルスターリング、クロノジェネシス、ドウデュースら、のちのGI馬が名を連ねる"出世レース"で結果を出したことは、相当なアピールポイント。血統的にも距離はあったほうがいいでしょうから、クラシックでも大いに期待できる存在です。

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