【なでしこ】今季も戦力充実のINAC神戸。女王を脅かすクラブは現れるのか?

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by Getty Images

昨季はリーグと皇后杯で優勝し、2冠を達成したINAC神戸昨季はリーグと皇后杯で優勝し、2冠を達成したINAC神戸 オフが明けた1月下旬、新シーズンに向けて各チームが始動した2013年のなでしこリーグ。2連覇中のINAC神戸レオネッサは、25日に新年最初の公開練習があり、それに先駆けて新体制および新入団選手の発表記者会見も行なわれた。

 代表組を多く抱えるINACだが、今年はチームの主軸であった大野忍のリヨン移籍、星川敬監督の退任に伴うコーチ陣の入れ替えもあり、キャプテンには川澄奈穂美が復帰、副キャプテンには南山千明と高瀬愛実が任命され、その新体制に注目が集まった。

 新たに指揮を執るのは、ヘッドコーチから昇格した石原孝尚監督。指揮官は「INACのサッカーを継続し、さらに質を高めていきたい」と明言しており、3連覇に向けて準備は万全だ。

 新シーズンに向けてINACが最優先事項としていたのは、守備の補強。不動の右サイドバックである近賀ゆかりの負傷による長期離脱が主な理由だが、高良亮子が仙台に移籍したこともあり、ふたりの穴を埋める存在として、まず狭山から渡辺彩香が加入した。渡辺は快速を誇るレフティで、本職はFWだが左サイドバックへのコンバートが予定されている。

 さらに、ヘディングと1対1の守備がストロングポイントの磯金みどりを福岡から獲得。甲斐潤子と田中明日菜の両CBを中心に、最終ラインの連係をどれだけ構築できるかが、今シーズンはひとつの鍵になりそうだ。

 中盤に目を転じると、リヨンに移籍した大野の背番号「10」を引き継ぐことになった「韓国の澤」チ・ソヨンと澤穂希のゴールデンコンビは今年も健在。また、攻撃陣は高瀬、川澄という強力な両サイドアタッカーに加え、半年間のリハビリを経て京川舞がケガから復帰。前線の活性化が期待されている。

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