神谷そら、櫻井心那ら今季女子ツアーで輝きを放つ「ダイヤモンド世代」の強さの秘密 (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images

この記事に関連する写真を見る櫻井心那(さくらい・ここな/19歳)
2004年2月13日生まれ。長崎県出身。ツアー通算4勝。メルセデス・ランキング5位。ドライビングディスタンス4位(平均飛距離256.95)。身長166㎝。血液型O。

 櫻井心那さんもリズムよくプレーするタイプですが、神谷さんのテンポのよさとは異なり、櫻井さんは自ら決めたルーティンを崩さず、しっかりと自分のペースを守るプレーをします。

 若い選手の場合、先輩や実力のある選手とのラウンドでは、なかなか自分のペースでプレーできないことが多いです。でも彼女は、そういう時でも気後れすることなく、自分のペースでやれる空気感を持っています。

 そういう姿を見ていると、技術だけでなく、心のコントロールもしっかりしているんだな、と思わせます。

 ショットの練習の70~80%は、ふだんから100ヤード前後のショットに時間を費やしていると言います。その辺りを詳しく聞いたところ、特に95~115ヤードは5ヤード刻みで打ち分けることができるようにしている、ということでした。

 山下美夢有さんもそうですが、櫻井さんもそういった点から、ピンを狙う時に重要な距離感を大事に考えていることがわかります。

 9月のゴルフ5レディスで今季3勝目を挙げた櫻井さん。翌週の日本女子プロ選手権は彼女の地元である長崎県のパサージュ琴海アイランドGCでの開催でした。その練習日、私が「ここは(優勝を)狙っているんでしょう」と彼女に声をかけると、「思った以上に疲れています」といった反応でした。

 今夏は暑い日が続くなか、6月末からおよそ2カ月の間に行なわれた9試合のうち8試合に出場して3勝という成績を残した頑張りによって、若いとはいえ、さすがに疲労がたまっていたのでしょう。結果、40位タイで予選ラウンドを通過。3日目は1番スタートの1組目という早い組でのラウンドとなりました。

 それでも、9番ホール(パー5)に来た時にはすばらしいショットを見せました。3打目、一緒に回るふたりが先に打って1ピンちょっとの距離につけたあと、最後に打った櫻井さんは、さらに内側のOKの距離にピタリ。地元ファンが見守るグリーン周りでは、ものすごい拍手が沸き上がりました。

 いくら疲れていて調子が悪くても、期待されている場面でそれに応えるショットが打てるのはさすが。やはりこの人は「持ってるな」と思わせる一打でしたし、今後のさらなる活躍が期待されます。

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