4度目のマスターズ。松山英樹には最も「つらい大会」になる!? (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 そんな状況にある松山だが、今季はすでにベスト10フィニッシュが5回、賞金ランキング13位(4月7日現在)と、周囲から見れば、トッププレイヤーのひとり。今年のマスターズでは優勝候補にも挙げられ、注目度は一気に増している。松山のモチベーションや闘争心は、いやがうえにもあおられることになる。

 しかも松山自身、マスターズに対する思い入れが強い。おそらくこれまでも、オーガスタでプレイすることをイメージしたショットや打ち方を磨いてきているだろうし、高い球だったり、止める球だったり、オーガスタで必要な技術の収得に務め、自分に足りない部分を埋めてきていると思う。当然、今回のマスターズでも、優勝しか考えていないはずだ。

 ということは、勝てないもどかしさや"窮屈さ"に加えて、プレッシャーも相当大きくなる。周囲の期待、自らの期待が増すことによって、「勝たなければいけない」という重圧がのしかかってくる。その分、考えなければいけないこと、処理しなければいけない情報量は膨大になる。だから、松山にとって今大会は"つらい"ものになるのではないか、と思うわけだ。

 そのうえ、「勝ちたい」「勝たなければいけない」という欲求が強くなればなるほど、自分のゴルフをさせてくれないのが、マスターズの"魔力"。勝利へのカギを握るのは、その"魔力"との闘いにある。

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