カレン・ロバート「Jリーグに戻ろうとはまったく思わなかった」本場イギリスでのプレーにこだわったわけ (4ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 奇しくも現在、カレンがクラブの代表を務める房総ローヴァーズ木更津FCは、千葉県リーグ1部に所属しており、J1を1部とするならば、7部リーグに相当する。

「たまたまですけど、最後に(イングランドの)7部でやらせてもらって、本場の7部と日本の7部がどれだけ違うかを比べられる。向こうはファンもしっかりしていて、地元のクラブとビッグクラブの両方を応援しているような街だったんですけど、そういうこともすごく勉強になりました」

 では、本場と比べて、ローヴァーズが活動拠点とする木更津は、何が違っているのだろうか。

「単純にサッカーのステイタスが低いっていうところですね」

 カレンの答えは明快だ。

 しかし、実体験から即答するカレンは、だからといって、決して悲観しているわけではない。

「川崎や柏のようにJクラブがあるところには、サッカーの街と言われるような場所が少しずつはできてきましたけど、じゃあアマチュアクラブで、ものすごく地域に根づいているところがあるかというと、そういうのはまだないのかなって。

 そうなっていくために、まずは市民、県民の方々にサッカーを理解してもらえるよう、地道にやっていかなければいけない。

 イギリスのクラブには100年以上の歴史があるところも多く、僕らが生きてる間にイギリスで見た景色を見るのはなかなか大変なのかもしれません。でも、それを少しでも早められるように、地道な活動を積み重ねていきたいと思っています」

(文中敬称略/つづく)

カレン・ロバート
1985年6月7日生まれ。茨城県出身。市立船橋高卒業後、2004年にジュビロ磐田入り。2年目の2005年に31試合出場13得点を記録して新人王に輝く。2010年夏にロアッソ熊本に移籍し、2010-2011シーズン途中からオランダのVVVフェンロに加入。以降、タイ、韓国、インドのクラブを渡り歩いて、2018年にイングランド7部のレザーヘッドFCでプレー。2019年に現役を引退。自身が立ち上げた房総ローヴァーズ木更津FCの運営に専念する。

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