【恩田社長の600日】「ぎふの力」を結集して観客15000人達成 (3ページ目)

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

 元々サービス業、エンターテインメイト畑にいた私としては、サッカーだけを売り物にするつもりはなく、スタジアムをアミューズメントパークのように考え、サッカーに興味のない人も足を運ぶきっかけを創り、より多くの客層に訴えていく集客方法を考えていました。

 我々がやっているのは、サッカーの試合の運営ではなく、スタジアムに足を運んでくれたお客さまに喜んで帰っていただくことです。我々の仕事はサービス業です。就任以来ことあるごとに、スタッフに対して伝えたことです。

 私が社長在任中にスタジアムで行なったことを並べると、結婚式、居酒屋、女子会、学園祭、ハロウィンパーティー、ヘリコプター始球式......およそサッカーとは何の関係もないものばかりです。こういったイベントをクラブのスタッフ皆で考え、悪ふざけもしながら楽しんでお客さまをお迎えしました。また、基本的にすべてのイベントを「予算0円」で作り上げていました。「イベントにばかりお金をかけて」と誤解を受けることがありましたが、我々はお金をかけず、知恵を絞りました。

 こうしたイベントを生み出したのが、新たに社内で始めた「ブレスト会議」です。

 ブレスト会議とは、定時後の時間から始める、希望者全員参加、途中退席自由、お菓子等持ち込みOKの会議です。議論する内容は、各試合ごとのイベントについてです。もちろん、私も参加していました。

 自分のアイデアが、スタジアムで具現化するのです。イベンターとの打ち合わせ、メディアバリューを考えたPR戦略、当日のイベント取り仕切りと、なるべく言い出した人を中心に動いてもらうようにしました。イベントに思い入れを持ってもらうため、そして話を進める過程で、各部署との連携が発生し、相互理解が深まると思ったからです。

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