阪神の村上頌樹、巨人の秋広優人らセ・リーグの若手たちを高木豊が評価 「来季以降もすごく期待」な強打者候補も挙げた (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【巨人・門脇の影響力は「大したもの」】

――同じく3年目で、新人王の資格がある秋広優人選手(巨人)はいかがでしょうか?

高木 新人王レースという観点でいえば、途中までは村上といい勝負をしていましたね。活躍し始めたのは村上よりも秋広のほうが早かったですし、「このまま安定した成績を残せばいけるかな」とも思ったのですが、シーズンを通して見ると物足りなかった。あの恵まれた体で本塁打は10本。レギュラーにもなりきれませんでした。

――7月には4試合連続本塁打を記録するなど、インパクトのある活躍を見せましたが、8月以降は成績を徐々に落としていきましたね。

高木 それでも、好調な期間が長かったほうだと思いますし、よく頑張ったと思います。近年の巨人の若手は、活躍し始めたと思ったらすぐに打てなくなるということが多かったですから。それでもやはり、村上の成績と比べてしまうと、新人王といい点ではインパクトもちょっと物足りないかなと。

――他に活躍が目についた若手は?

高木 巨人のルーキー、門脇誠です。最近では珍しく、守備で大きくアピールして起用されるようになりましたね。「岡本和真をサードから動かすことは絶対にないだろう」と思っていましたが、門脇を使うために岡本をファーストに移しました。首脳陣はそのくらい、門脇のサードの守備に魅力を感じたと思うんです。

 その後、坂本勇人の代わりにショートに入り、坂本がサードに移った。これもうまくいって、いい内野陣を形成することができました。打撃優先のオーダーを組む場合も門脇を外すのではなく、岡本をレフトに移してファーストに中田翔を入れたりしていましたね。つまり、門脇を使うことを前提とした布陣になっているわけで、ルーキーながらこの影響力は大したもんだなと。

 それと、前半戦は打率1割台でしたが、後半戦は8月に月間打率.339をマークするなど好調を維持していましたよね。プロのピッチャーへのアジャストが予想していたよりも早かったですし、攻守でいい活躍を見せていたと思います。

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