いざCS!楽天は短期決戦に強いのか、弱いのか? (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke 荒川祐史● photo by Arakawa Yuji

 山村氏は、このような戦い方を推奨する。

「田中、則本と続けて投げてきたほうが相手は嫌ですよ。楽天としても一気に勝てば、勢いがつきますしね。星野(仙一)監督も信頼して、『こいつらで勝つんだ』と並べてくるのではないでしょうか」

 一方、田尾氏も、勝ち頭ふたりを続けて投げさせることに同意する。その上で、ポストシーズンのキーマンに則本を挙げた。

「田中で初戦を取り、則本で2戦目を勝った場合、田中でもうひとつ勝てればCSの勝ち抜けが決まります。日本シリーズも初戦を田中、2戦目を則本で取れれば、3、4、5戦目で3連敗したとしても、6、7戦目をシーズンと同じ中6日で田中と則本に投げさせることができる。エースがふたりいれば、そういう戦い方ができます。一方、2戦目を則本で負けた場合、3、4、5戦目でひとつ勝たないといけなくなる。そうなったら田中の起用法も変わってくるでしょう。スクランブルですね」

 ただ、楽天の弱点は、先発3番手以降の力がガクッと落ちることだ。シーズン終盤に右ひじを痛めた美馬学(今季6勝5敗)が間に合うかは微妙な状況で、辛島航(3勝4敗)、ハウザー(2勝2敗)、ダックワース(5勝5敗)らが候補になる。序盤から飛ばして早めにリリーフにつなぐ展開が予想されるものの、クローザーを務めたラズナー(1勝2敗11セーブ)が右ひじの手術で戦線離脱するなど、ブルペンの陣容にも不安が残るところだ。

 山村氏は、2012年から2年連続でオールスターに出場し、今季はチーム最多の60試合に登板した青山浩二(3勝5敗11セーブ)をリリーフ陣のキーマンに挙げる。

「今季は150キロ近い真っすぐを投げていましたが、ボールに角度がついておらず、本来の軌道ではありませんでした。だからフォーク、スライダーも生きてこなかった。今年はクローザーからリリーフに配置転換されましたが、青山がレギュラーシーズン中みたいにフラフラしているようでは、短期決戦は厳しい戦いになるでしょうね。CSまでにどこまで修正できるかがポイントです」

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