大谷翔平の緻密な目標に松井秀喜が驚き ドキュメンタリー映画を撮った時川徹監督が明かす制作秘話 (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文text by Shiratori Junichi

【ダルビッシュ有、松井秀喜、ペドロ・マルティネズも登場】

――撮影で苦労した点はありますか?

「野球などのスポーツは、少しでも目を離すと奇跡的な瞬間を撮影できなくなってしまうことがあるので、一瞬たりとも気を抜けません。なので、フォトジェニックで感動的な場面を撮るための試行錯誤がありました。

 そんな我々に対して、普段からスタジアムで取材されているスポーツカメラマンのみなさんが本当にいろんなことを教えてくださった。"部外者"である我々を温かく迎え入れ、さまざまな形でサポートしていただけたことを本当に感謝しています」

――時川監督が気に入っているシーンはありますか?

「試合のシーンもそうですが、『予想以上に素晴らしい映像が撮影できた』と思ったのは、大谷選手の故郷・岩手県水沢市(現・奥州市)の豊かな自然の風景です。美しい場所であることは事前にわかっていましたが、実際に太陽の光が降り注ぐ景色を目にすると、その素晴らしさに圧倒されてしまって。大谷選手が幼少期にプレーしたグラウンドの素晴らしい画も撮れましたし、個人的には満足度の高い仕上がりになりました」

――ダルビッシュ有投手や松井秀喜さんなど、豪華な共演者も目を引きました。

「そうですね。このドキュメンタリー映画を撮るにあたって、僕は『これまでに世に出ている大谷選手に関する記事のほぼすべてに目を通した』と言ってもいいくらい、多くの記事を読みました。その中で、大谷選手が子供の頃に憧れていた方や、野球人生において繋がりの深い方を中心に選ばせていただきました」

――大谷選手をはじめ、スター選手や大物の取材はスケジュールを確保するのも大変だったんじゃないでしょうか。

「大谷選手の撮影は『時間が取れる時にお願いする』という感じだったので、直前で撮影の予定が組まれたり、時には撮影がなくなることもありましたが、そこは覚悟していました。ペドロ・マルティネズさんにインタビューした翌日に、急遽ダルビッシュ投手の撮影が決まって、アメリカから宮崎に出向くことになったり、台風の影響で岩手の空港に着陸できずに足止めされたり......それでも、"出たところ勝負"の状況を楽しみながら撮影できました」

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