【リトルリーグ】ワールドシリーズ開幕。日本3連覇へ好発進! (2ページ目)

  • カルロス山崎●文・写真 text & photo by Carlos Yamazaki

 名ノッカーとしても知られる日高監督が、特に重点を置いたのは内外野の守備練習、投内連係プレイ、外野手からの中継プレイの確認だった。清宮幸太郎(調布シニア)、逢坂倫充(調布シニア)、青山悟(新宿シニア)らを擁した「2年前のような長打力はないが、(投打の)バランスが取れたチーム」(久保洋一総監督)らしく、基本に忠実なプレイの確認作業を繰り返していた。ワールドシリーズ初采配となる日高監督は「(監督としての)緊張感はありますけど、選手たちにはミスを恐れず、思いっきりプレイさせてあげられるようサポートしたい。あとは総力戦です」と意気込みを語った。

 そして迎えた日本代表・東京北砂リトルリーグの初戦。ラテンアメリカ代表ベネズエラと対戦し、1-0で勝利。チームは7月6日の全日本選手権大会決勝戦以来の対外試合となったが、先発した高橋卓央(13歳)は6回1安打無失点14奪三振と圧巻の投球をみせ、試合後は「自分でも、初戦からこんなピッチングができるとは思っていなかったので、とても嬉しい」と笑顔を見せた。

 中学1年にして、最速123キロをマークしたことがあるという本格派右腕の高橋は、立ち上がりから制球が冴え5者連続三振とベネズエラ打線を圧倒。全米にテレビ中継を行なったスポーツ専門局ESPNによると、この日のストレートは71~74マイル(約114~119キロ)を計時していたという。高橋は4回、先頭の1番カイセドに、狙われていたストレートを逆方向の右中間に弾き返され二塁打を許すが、結局、許した安打はこの1本だけ。初回と同様、最終回も三者三振に仕留め、73球で完封勝利を収めた。

 打線は毎回安打でチャンスを作ったが、得点に至ったのは3回、金森優(13歳)の右前適時打による1点だけ。走塁ミスでチャンスをつぶした場面もあったが、それでも「ストレートとカーブだけ」という高橋の緩急を使った投球と、鉄壁の内野守備で初戦を突破した。

 ワールドシリーズで初めて指揮を執った日高監督は試合後、「高橋については球速もあったし、コントロールが良かった。いつもは逆球が行ったりして荒れ気味なボールなんですけど、制球力が良くて、一番打ちづらいと言われている外角低めに丁寧に投げられたのが良かったと思う。打線については、ヒットが8本で繋がりはなかったが、ひとりひとりがしっかりバットの芯で捉えてヒットが出ていたというのは、これからにプラスになると思っている」と振り返った。

Japan 1-0 Latin America
JPN 001 000 | 1
LA 000 000 | 0
勝)高橋卓央(1勝)
負)カブレラ(1敗)

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