【プロ野球】ソフトバンク・武田翔太こそ本物の「ダルビッシュ二世」である

  • 繁昌良司●写真 photo by Hanjo Ryoji

プロ初登板初先発となった7月7日の日本ハム戦では、6回を1安打無失点に抑える好投でプロ初勝利を挙げた武田翔太プロ初登板初先発となった7月7日の日本ハム戦では、6回を1安打無失点に抑える好投でプロ初勝利を挙げた武田翔太安倍昌彦の投魂受けて~第23回 武田翔太(ソフトバンク)

<ソフト武田、6回1安打に抑える>

 最初にこれを知ったのは、携帯のニュースサイトだった。「おお、やったか!」と思ったが、てっきりファーム(二軍)での出来事だろうと勝手に決めつけていた。そして翌朝のスポーツ紙を見ると、<怪物デビュー、ソフトバンク・武田翔太>の見出しが躍っていた。「一軍かよ!」。そこで初めて驚いたが、よくよく考えてみればファームの出来事をいちいちニュースとして報じたりはしないだろう。気がつかなかった自分を恥じた。

 それにしても圧巻のピッチングだった。
 
 まず日本ハムの先頭打者、田中賢介への初球が151キロ。

 あつかましいヤツだ。

 さらに5回までノーヒット。しかも打球が外野に飛んだのは2本だけ。

 用心深いヤツだ。

 そして打ち取るたびに見せていた不敵な笑顔。

 したたかなヤツだ。

 コンスタントに150キロ前後のスピードを維持しながら、抜いたようなカーブとチェンジアップとの緩急で、日本ハム打線を6回1安打無失点に抑え、プロ初登板初先発の大役を見事なまでに演じきった。

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