シゲキックスがブレイキン世界大会で観衆を魅了 片足のブレイカーがソロバトルで快挙達成

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  • Photo by FUJIFILM INSTAX Undisputed Masters

クルーバトルに参加したShigekixクルーバトルに参加したShigekix ブレイキンの世界大会「FUJIFILM INSTAX Undisputed Masters(フジフイルム・インスタックス・アンディスピューテッド・マスターズ)」の決勝大会が3月16日、17日の2日間、東京で開催された。男子ソロバトルではブラジルのSamuka(サムカ)、女子ソロバトルではリトアニアのNicka(ニカ)、5対5のクルーバトルでは韓国のJINJO CREW(ジンジョー・クルー)が優勝を果たした。

大会二連覇を達成したリトアニアのNicka大会二連覇を達成したリトアニアのNicka 2023年度に開催されたFUJIFILM INSTAX Undisputed Mastersは、イギリス・ロンドン大会、オランダ・ヘールレン大会、アメリカ・ニューヨーク大会、ブラジル・サンパウロ大会の4大会で、合計68か国、総勢1,652人のブレイカーが出場。東京大会はこの4大会の優勝者が集う頂上決戦の位置づけとなる。

 日本から出場した主なブレイカーは、男子がShigekix(シゲキックス)、Issin(イッシン)、Hiro10(ヒロト)、女子がAmi(アミ)、Ayumi(アユミ)、RIKO(リコ)。パリ五輪出場が内定しているShigekixはクルーバトルで、Ⅻ After Ours(トゥエルブ・アフター・アワーズ)のメンバーとしてエントリーし、最後のタームに登場。華麗なフットワークやパワームーブを披露して会場を沸かせた。チームでの上位進出はならなかったが、「今日はいつも練習しているメンバーと出場できて楽しめた」と笑顔を見せた。

クルーバトルで優勝したJINJO CREW。前列中央がHiro10クルーバトルで優勝したJINJO CREW。前列中央がHiro10 また日本人で注目を集めたのが、クルーバトルの決勝に進出したBody Carnival 2(ボディ・カーニバル・ツー)のIssinとAyumi、そしてJINJO CREWのHiro10。互いに得意とする複数人による技、ルーティーンを織り交ぜながら7ムーブずつを見せ合った結果、5-2でJINJO CREWに軍配が上がった。

 激しいムーブの応酬を制したHiro10は「昨年は負けてしまったが、今年はチームを変えて優勝できて本当にうれしい」と喜びを語った。惜しくも優勝を逃したが、1ムーブ目に登場して会場から大きな歓声を浴びたIssinは「僕がバーンと(技を)やるだけで会場の空気が変わる気がした。自分たちはすべて出し切っての敗戦だったが、まだまだ成長できるし、次は勝てると思う」とリベンジを誓った。

左足&松葉づえで個性的なムーブを連発したSamuka左足&松葉づえで個性的なムーブを連発したSamuka そしてこの東京大会で特筆すべきが、男子ソロバトルでのSamukaの優勝。彼は右足のない片足のブレイカーで、通常のスポーツであればパラアスリートのカテゴリーに入る選手。しかし左足と松葉づえで、フットワークやパワームーブを行なうなど、圧巻のパフォーマンスで観衆を魅了した。その様子を見たShigekixは「ブレイキンの新たな可能性を見せてくれた。見ている人たちも心に響いたものがあったと思う」と感嘆。準々決勝では世界的な名ブレイカーで昨年の覇者、カナダのPhil Wizard(フィル・ウィザード)を破ると、その勢いのまま頂点まで駆け上がり、優勝後には大粒の涙を流していた。

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