富士フイルムがブレイキン世界大会をサポート サッカー、ゴルフなどの協賛にも通じるスポーツ支援の考え方とは (3ページ目)

  • text by Sportiva

スポーツ協賛でギネス記録

 富士フイルムグループとスポーツの関りは古く、1934年の創業からバレーボールチームを創設。川合俊一をはじめ、多くの全日本選手を輩出しており1980年代には日本リーグ5連覇を達成する強豪だった。

 さらにはサッカー協賛も始め、FIFAサッカーワールドカップの1982年スペイン大会から2006年ドイツ大会まで協賛していた。またJリーグの前年度王者と天皇杯王者が対戦する「FUJIFILM SUPER CUP」()には1994年から協賛をスタートし、2023年の開催で30年を迎えた。これは同一企業による協賛では世界で最長のサッカースーパーカップの大会としてギネス世界記録にも認定されたほど、価値ある大会となっている。
※1994年第1回大会から2021年までは「FUJI XEROX SUPER CUP」という名で富士フイルムグループの富士ゼロックス社が特別協賛していた

ギネス記録にも認定された「FUJIFILM SUPER CUP」 ©J.LEAGUEギネス記録にも認定された「FUJIFILM SUPER CUP」 ©J.LEAGUE

 富士フイルムのスポーツ支援の根幹にあるものは、一体どんな想いなのだろうか。富士フイルムホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部 宣伝グループ マネージャー原雄二郎氏に聞いた。

「スポーツ協賛は、お客様にスポーツを通じて感動をお届けすることで、富士フイルムという企業や事業の取り組み、製品・サービスを知ってもらい、好きになってもらいたいと考えています」

 富士フイルムはその社名が示すとおり、創業から写真やカメラを主軸とする企業だった。スポーツの感動を伝えるためには、写真やカメラはなくてはならない製品であり、スポーツへの協賛は直接的にメリットを生み出すものだった。しかし時代の移り変わりとともにスポーツ協賛の意味合いは少しずつ方向転換していった。

「2000年以降、写真フイルムの需要が減少するなかで、富士フイルムは第二の創業として、さまざまな事業を始めました。現在では販促に直結するスポーツ協賛というよりも、当社の幅広い事業の取り組みをご紹介するとともに、富士フイルムグループ全体のブランディングの観点で協賛している意味合いが強いかもしれません」(原氏)

 現在の富士フイルムグループは、写真で培った技術をもとに、医療機器の開発・医薬品の製造支援などを手掛ける「ヘルスケア」事業、高機能材料や記録メディアなどを手掛ける「マテリアルズ」事業、企業のDX推進やカラー複合機の製造・販売などを手掛ける「ビジネスイノベーション」事業、INSTAX"チェキ"やプリントサービスなどを手掛ける「イメージング」事業の4つに分かれている。

「次世代、若年層の方に『いい会社だな』とか、『働いてみたいな』と思っていただけるように、スポーツを通じて当社の幅広い事業領域を知ってもらい、まず富士フイルムに興味を持ってもらいたいと考えています。富士フイルムの認知やブランドイメージを高めるために、スポーツは最適だと思います」(原氏)

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