【月報・青学陸上部】箱根と並ぶ春の大一番、関東インカレでの異変 (4ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・文 text by Sato Shun 築田 純●写真 photo by Tsukida Jun

 例年、主将はチ-ムに新たな取り組みを導入している。たとえば昨年は掃除マニュアルを張り出すなど寮内の掃除、整理など生活面でのだらしなさを排除した。日常生活の態度が不遜ではレ-スに勝てないという監督の考えを具現化したものだ。今季、主将になった安藤はあることをスタートさせたという。

「僕が主将になって始めたのは、スタッフミ-ティングです。これは主将とマネージャー、1年から4年までの各学年の学年長、寮長が集まってチ-ムについて話すというものです。今までのチ-ムはあまりやっていなかったので、これからは月1回ぐらいのペースでやっていこうと思っています。4年生から見るチ-ムと1年生から見えるチ-ムは違うと思うので、そこで活発に意見交換をして、よりチ-ムを強くしたいと考えています」

 昔の体育会のように4年生は神様、1年生はゴミみたいな上下関係やありがちな上意下達はなく、4年生と1年生が同じテーブルで膝を突き合わせて話す。後輩が話をしやすい環境作りをして風通しをよくして、チ-ム力アップに反映していく狙いがあるのだ。
 
 原監督は「今年の1年生はみんな生命力がある。元気がよくて素晴らしい」と絶賛していたが、偉大な先輩がいる中でも萎縮せず、彼らが伸び伸びと練習できているのは安藤主将の取り組みによるところが大きい。

「今年、うちのテ-マが『個の色合わせて緑となれ』というんですけど、これは個人が自分で考えて成長していきつつ、駅伝になったときはひとつにまとまっていこうということです。昨年のチ-ムは『史上最強』と言われて、たしかに強すぎた感があるのですが、だからといって今年は戦力が落ちたわけじゃない。逆に強すぎた4年生が抜けたことで、今年は自分がという気持ちをみんな持っています。競い合っていいチ-ムができると思いますし、自分も復活できるように頑張ります」

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