鍵山優真が完全復活へ「すごく燃えてきています」 新たな4回転や繊細な演技への手応えを語る (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

●大技・4回転フリップにも手応え

 シーズンの目標にするのは、グランプリ(GP)ファイナル進出や世界選手権だが、左足首のケガを再発させないように、焦らずにやっていきたいとも話す。

「GPシリーズの前に何戦か試合があるのでそこでプログラムの手応えをしっかり確認して、GPシリーズあたりからは4回転を何種類か入れてしっかりと以前の状態に近づけていけたらいいかなと思っています」

 現状、4回転は左足を強く使うトーループを避けるなど、自分のなかで制限をしている。SPのジャンプは、4回転はサルコウだけで、2本目に3回転ルッツ+3回転トーループを入れ、最後はトリプルアクセルという構成でまずは完成度を意識していきたいという。

 また、フリーに関しても最初の試合は4回転をサルコウ1本だけで臨んでプログラム全体の完成度を上げたうえで、GPシリーズからは4回転フリップを入れる構成にしたいと考えているという。

「新しく挑戦している4回転フリップも今日の練習では降りられなかったけど、みんな集まっているなかで気持ちも高まっているし、手応えはしっかり感じています。プログラムを通した時もジャンプ一本一本の手応えというのはしっかり感じているので、あとはしっかり体力をつけて試合に臨んでいければと思います。

 ケガ明けで練習に復帰してからは、ジャンプだけではなく細かいステップワークとかスケーティングなどもすごく意識して練習してきたので、前よりもっと繊細になっているのかなと実感もしています。ジャンプは以前のものに徐々に近づいてきていると思うので、あとは安定性をしっかり高め、自信がつくまで練習をしていけたらいいと思います」

 着実に復活へ向けての道を歩めればいいと考える鍵山の表情には、余裕もにじんでいた。自分のスケートをしっかり戻せば大丈夫だという自信が、彼の心を支えている。

プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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